[童話]かきつばたになった少女
かきつばたになった少女 22
「山彦さん、おせじをいわないで」
「本当だよ。きみの顔は、なんともいえない優しい顔
だ。きみの心の優しさが、そのまま顔にでている」
「でも・・・今水面に顔をうつしてみたら、私はとてもみ
にくい顔をしていたわ」
「それは、強い風が吹いてきて、水面が波立ったから
だよ」
山彦がいいました。
でも、かきつばたは、山彦のことばを信じることがで
きませんでした。
山彦がはっと気がついた時、かきつばたの姿は消え
ていました。
つづく
「かきつばたになった少女」は、みほようこの四冊目の
童話集「ライオンめざめる」に収録されています。
https://mihoyouko.web.fc2.com/douwasyuu4.html
童話集「ライオンめざめる」の価格は、現在 1540円です。