かきつばたになった少女

[童話]かきつばたになった少女


   かきつばたになった少女  28


夏になると、女神さまたちはかきつばたに会いに、八
島の湿原にやってきます。
「かきつばたは本当に美しい少女だったけれど、花
になってもやっぱり美しいのね」
そういいながら、女神さまたちはかきつばたの花をめ
でるのでした。


沼のほとりにただずみ、かきつばたの花をみている
と、「山彦さーん、山彦さーん」という、かきつばたの
声が聞こえてくるそうです。
紫色の花になったかきつばたは、今も山彦と一緒に
草原を走りまわっているのでしょうか。
  

       おわり





「かきつばたになった少女」は、みほようこの四冊目の
童話集「ライオンめざめる」に収録されています。


https://mihoyouko.web.fc2.com/douwasyuu4.html



童話集「ライオンめざめる」の価格は、現在 1540円です。