ライオンめざめる

[童話]ライオンめざめる


   ライオンめざめる 7


「そんなばかな・・・。とうちゃんは、かなのいうことを
信じたい。でも、この話だけは、信じることができな
いね」
おとうさんは、困ったような顔をしました。


さわやかな秋になりました。
かなとりゅうは、高原の小高い丘へ登りました。
りゅうは散歩が大好き。
かなの顔をみると、「散歩に行こう。ねえ、散歩に行
こうよぉ」と、大声でさいそくします。
かなはライオンのロケットを首にかけ、散歩に行きま
した。 


丘へつくと、夏のあいだ美しく咲いていた日光きす
げややなぎらんは、すっかり枯れていました。
そして、草原は一面すすきでおおわれていました。


       つづく





「ライオンめざめる」は、みほようこの四冊目の
童話集「ライオンめざめる」に収録されています。


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