竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女 3


「さあなぁ。村には、竜がいるといういいつたえがある
が、竜の姿をみた人はだれもいないからね。でも、し
らかば湖には、竜がいるかもしれないよ」
おとうさんは、夢みるようにいいました。


「ねぇ、とうちゃん。村に伝わっている竜の話って、ど
んな話なの」
「じゃあ、今日は、その話をしてあげよう」
おとうさんは、湖のまわりを歩きながら、竜になった三
郎の話をしてくれました。


むかーし、昔。ずぅーと昔。
たてしな山のふもとに、小さな村がありました。
その村に、太郎・次郎・三郎という、仲のいい兄弟が
住んでいました。
兄たちは、末っ子の三郎を、「三郎や、三郎や」とい
ってかわいがっています。


       つづく





童話「竜の姿をみた少女」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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