竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女 10


「三郎さまって、だれのことかしら。竜になった三郎の
ことかな」
かなは、そう思いました。
 

それから、二週間がすぎました。
かなは、またしらかば湖へ行き、ぼんやり湖をながめ
ていました。
「少女よ。おまえは、ほんとうにしらかば湖が好きなん
だね」
ふりむくと、白いひげのおじいさんが立っていました。


みたことのないおじいさんです。
白い着物をきて、白い頭巾をかぶった、上品なひと
でした。
おじいさんは、長い杖をついています。
杖には、竜の顔がついていました。


       つづく





童話「竜の姿をみた少女」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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