竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女 15


「友だちは、なぜ気持がかわったのかな」
「みんなにいじめられたみたい。竜なんて、この世に
いるはずないって。 そんなことを信じているなんて、
馬鹿じゃないかっていわれたらしいわ」
「そうか。友だちにいじめられたのか。竜など、だれ
もみたことがないから、竜がいるなんて信じることが
できないのだろうね」
おじいさんは、なぜかさみしそうな顔でいいました。


「わしも、若いころ、信じていた兄たちに、うらぎられ
たことがある。兄たちは、幼い時から、わしをうんと
かわいがってくれた。そんな兄たちが、わしをうらぎ
るなんて。心から信じていた人に、うらぎられるのは
つらいものじゃのぅ」
おじいさんは、うらぎられた時のことを思いだしたの
か、つらそうな顔をしました。


       つづく





童話「竜の姿をみた少女」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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