竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女 19


「いぬのふぐりの花が、咲きはじめたころかしら」
「そうか。かなは、しらかばたちが話をしているのを、
聞いてしまったのか。わしも、しらかばたちとよく話を
する。しらかばがね、この村には湖が大好きな少女
がいるんだよって、かなのことを話してくれた」


「おじいさん。とうちゃんもね、しらかば湖には、竜が
いるかもしれないよって、いっています」
「そうか。かなも、そしておとうさんも、今でも湖に竜
がいると信じているのか」
おじいさんは、にっこり笑いながら、
「かな。今日は、いいものをみせてあげよう。ちょっと
待っていておくれ」
そういうと、おじいさんはどこかへ消えてしまいました。
 

       つづく





童話「竜の姿をみた少女」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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