竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女 31


「私、さっきから、その光が気になってしかたがあり
ませんでした」
「それで、わしの胸ばかりみていたのか。この玉は、
真澄の玉じゃ」
「ますみの玉?」


「そう、真に澄むと書いて、ますみの玉じゃ。この玉
はのぅ、わしが諏訪地方を守る竜神になった時、妻
のおとうさんからゆずられたものじゃ。過去や未来が
みえる、ふしぎな玉なのだよ。なくなった人が、あち
らの国でどんな生活をしているか、みえるのじゃ」
「じゃあ、私のかあちゃんの姿も、みえますか」
  

       つづく





童話「竜の姿をみた少女」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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