竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女 32


「ああ、みえるとも。おかあさんの姿がみたいかい」
「はい」
かなは、大きくうなずきました。
「では、ほんのちょっと、おかあさんの姿をみせて
あげよう。しっかり目をあけてみるのだよ」
そういうと、おじいさんは、玉を何回かなでました。


「さあ、かな。玉の中をのぞいてごらん」
「あっ、かあちゃんだ! かあちゃんが、野原で花
をつんでいる。かあちゃん、元気? とうちゃんも
私も、元気だよ。安心してね」
かなは、玉にむかって、夢中で話しかけました。
  

       つづく





童話「竜の姿をみた少女」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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