竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女 36


疲れはてた妻は、諏訪湖へ身をなげようとしたのじゃ。
その時、妻のおとうさんがあらわれ、諏訪湖の奥へ
妻をつれていったらしい。後で知ったのだが、妻は
ある神さまの娘だった。妻は、わしが帰ってくるのを、
諏訪湖の奥で待っていてくれた。いつ帰ってくるか
わからぬわしを、じっと待っているのはさぞつらかっ
ただろう。妻には、気の毒なことをしてしまった」


「おじいさんは、奥さまに会えたの」
「会えたよ。十数年ぶりに、諏訪湖で妻と会うことが
できた」
「会えてよかったね。おじいさん、うれしかったでしょ」
「そりゃあ、うれしかった。ずっと妻に会いたいと思っ
ていたからのぅ」
おじいさんは、奥さんに会えた時の様子を話してく
れました。


       つづく





童話「竜の姿をみた少女」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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