女神さまとの約束

[童話]女神さまとの約束


    女神さまとの約束 5


「お世話になりました。大切なおかあさんの着物、
おかりしていきます」
女の人は何度も礼をいい、屋敷をあとにしました。
「大雪の夜、あの人はどこへ行くつもりだったのだ
ろう」
ふくは、女の人のことが、気になってしかたがあり
ません。


「貧しいみなりをしていたけれど、女神さまのように
美しい人だったね。どこのかたかしら。なくなった
かあちゃんに、にていたね」
ふくの心の中は、大雪の夜に泊まった女の人のこ
とでいっぱいでした。
二人は、困っている人をみると、知らん顔ができず、
ときどき旅人を泊めてあげていたのです。


             つづく





童話「女神さまとの約束」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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