女神さまとの約束

[童話]女神さまとの約束


    女神さまとの約束 6


夏のある朝。
「ふく・・・ふくー。早くきておくれ」
ざしきの方から、長者の声が聞こえました。
いそいでかけつけると、長者がたおれていました。
「とうちゃん、どうしたの?」
「目がまわって、歩けないのだ」
「だいじょうぶ?とうちゃん」
「ああ、ちょっと休めばよくなるだろう」
長者は、横になりました。


しかし・・・。
何日たっても、長者はよくなりません。
物が食べられなくなり、長者は一日ごとに弱ってい
きました。
「ふくや。わしは、もうだめだ。長くは生きられない
だろう。わしが死んでも、一人でしっかり生きていく
のだよ」


             つづく





童話「女神さまとの約束」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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