牛に乗ったお玉さま

[童話]牛に乗ったお玉さま


    牛に乗ったお玉さま  3


坊さんは、かわいい娘が黒牛にのりお参りにやって
くるのを、いつしか心待ちするようになりました。
「なんてかわいい、清らかな娘だろう。どこの娘かな」
坊さんは、お参りにきた人に聞いてみました。


すると。
「あの娘は、山口の長者の一人娘じゃ。きだてのい
い娘でのう。道で会うと、わしらにも笑顔で挨拶して
くれるんじゃ」
どの人に聞いても、お玉を悪くいう人はいませんで
した。
 

しばらくすると、お玉の美しさが評判になり、あちこ
ちから縁談がもちこまれるようになりました。


               つづく