小さな音楽会

[童話]小さな音楽会


    小さな音楽会  1


「かっこう、かっこう」
裏の林から、かっこうの声が聞こえてきました。 
ひろは、かっこうの声で、目がさめました。
窓をあけると、さわやかな風がふいていました。

 
ひろは、元気な男の子。
あと二日で、六才になります。
ひろは、目がみえません。
おとうさんとおかあさんは、ひろを普通のこどもと同
じ様に育てました。
目がみえないからといって、あまやかしたことは、一
度もありません。
「ひろや、誰だって、最初はなにもできないのだよ。
だから、がんばってやろうね」
そういって、二人はひろをはげましました。


            つづく