[童話]小さな音楽会
小さな音楽会 6
ひろはおもちゃのピアノをいじることはあっても、ドと
か、ラとか、でたらめにキィーをおすだけでした。
その日から、ひろはおもちゃのピアノで、きいた曲を
ひけるようになったのです。
神様はみえない目のかわりに、ひろに素晴らしい耳
をプレゼントしてくれたのかもしれませんね。
三才の誕生日に、おとうさんはひろに、本物のピアノ
をプレゼントしました。
ひろは、小さな手で一生けんめいピアノをひきました。
「ひろはピアニストになれるかもしれない」
おかあさんはふとそう思いました。
つづく