愛犬りゅう「ばいばい、またね」

[童話]愛犬りゅう「ばいばい、またね」


「さわるな、これはぼくのごはんだ」 3


二週間ぐらいして、ぼくの悪いくせもなおった。
でも、あーちゃんがぼくの食器に手を入れると、弟や
妹にごはんを食べられた時のことを思い出し、つい
「うー」といいたくなる。
ぼくが「うー」というと、あーちゃんにしかられる。


ぼくは「うー」というかわりに、鼻にしわをよせるように
なった。
すると、「そんなこわい顔をしてはだめよ」と、あーち
ゃんはいう。
あーちゃんは、悪いくせがなおったかどうか、食器に
手を入れてぼくを試す。
「なんでそんなことをして、ぼくをためすのだ。変なあ
ーちゃん」
ぼくは心の中でそっとつぶやいた。


           つづく