尾掛松

[童話]諏訪の神話「尾掛松」


    尾掛松  4


天井の梁には、樽ほどもある太い龍が巻きついてい
ます。
龍は、真っ赤な舌をぺろぺろだしていました。
「でかけようと思ったら、急用ができてのぅ。信濃は遠
いので、遅れてはいけないと思い、龍の姿でやって
きたのじゃ。わしの体は、この社を七まき半しても、尾
は国の松の木にかかっている」
明神さまがいいました。


「えっ、明神さまって、龍だったの。知らなかったわ」
「大きな龍なのね。こわいわ」
女神さまたちが口々にいいました。
「明神さまが龍だってこと、知っていたかい」
「知らなかったな」
神様たちは、みんな驚いています。


            つづく

尾掛松

[童話]諏訪の神話「尾掛松」


    尾掛松  3


「明神さまはどうしたのじゃ」
「会議のことを忘れているのでは」
「病気かな」
「急用ができたのかも」
神様たちは、心配しました。
「一体いつまでわしらを待たせる気だ」
待ちくたびれた気の短い神様が、おこりだしました。


すると・・・。
「わしは、さっきからここにいるぞ」
上の方から、大きな声が聞こえてきました。
「どこにいるのじゃ」
神様たちは、あたりをみまわしました。
天井をみた神様たちは、「あっ」といったきり、真っ青
になりました。


            つづく