2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの31 「おら、きよちゃんと初めて会っ た時、ほんとうにびっくりした」 「なぜ驚いたの」 「ふくちゃんにそっくりだったから。 ふくちゃん、やっぱり生きていた んだねって、いいそうになった」 「私とふくちゃん、そんなによく に…

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの30 「えっ、ほんとう? じゃあ、二 人は、兄と妹のように育ったのね」 「うん。でも、ふくちゃんは・・・ 八才の時になくなってしまった」 「その話、とうちゃんから聞いた ことがある。 ふくちゃんは、守屋山へ福寿草の 花をとり…

乙女椿

「花のほほえみ」より 乙女椿

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの29 「おかあさんは、いつも家にいる の?」 「かあちゃんは、週に二度、近く の長者の家へお手伝いに行って いる」 「長者の家って?」 「守屋山のふもとにある朝日長者の 家だよ」 「私、その家なら、知っている。 あそこのおじ…

りゅうの俳句

・ この湿地 しゃべっています 柱なり ・ この名前 感心したら 女神なり ・ このくりが こわいくらいに おじいさん ・ あの原の 手当するのは 童話かも ・ このしらを 手当するのは わが家だね

秋明菊

「花のほほえみ」より 秋明菊

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの28 「清太さんは、なんでも知ってい るのね」 「かあちゃんが教えてくれたんだ。 かあちゃんは、花や小鳥が大好き。 きよちゃんにも、いつかかあちゃ んを紹介するね」 清太は、なにをいっているのだろ うと思いました。 庄屋のお…

童話集「竜の姿をみた少女」

昨年12月、「鳥影社」から、 みほようこの五冊目の童話集 「竜の姿をみた少女」が、発売さ れました。 ビーケーワン・アマゾン・楽天・ 紀伊国屋書店・ジュンク堂などで、 本を発売中。 全国の公立図書館でも、たくさん本 を購入していただきました。 童話…

ばら

「花のほほえみ」より ばら

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの27 「座禅草の花は、小さなお堂の中 で、坊さんが座禅をくんでいるよ うな花だといわれている」 「よくみると、そんな感じね。 あら、ここには、五つも花が咲い ている。 坊さんたちが集まって、何か話を しているみたいね」 「き…

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの26 「白駒。出発するぞ」 「清太さんは、白駒が好きなのね」 「うん。おらは、白駒が大好き。 白駒も、おらを好きだと思うよ。 ねぇ、白駒?」 白駒は、「私も、清太さんが大好 き」というように、「ひひーん」と なきました。 「…

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの25 「おらも、おじょうさまのこと、 妹だと思っている。 いや、それ以上かな」 清太は、心の中でそっとつぶや きました。 「さあ、おじょうさま。出発し よう」 馬小屋へついた時、清太がうれ しそうにいいました。 「清太さん。…

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの24 「なにいっているの。清太さん」 「だって、庄屋のおじょうさまだ もの」 「たしかに、私は庄屋の娘よ。 みんなから、庄屋のおじょうさま って、よばれているわ。 でも、私は、おじょうさまという ことばが大きらい。 清太さん…

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの23 「明神さまでしょ」 「よく知っているね。諏訪の神様 は、諏訪明神とよばれている。 農耕の神様・狩猟の神様・風の神 様ともよばれているんだよ。 諏訪大社はね、日本で最も古い神 社の一つなんだって。 おらも、ここにくる前…

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの22 「私は、『いやぁー、山の神様ぁー、 お願いだぁー』という木遣りの声 が、今でも耳に残っているわ」 「おらは、宮川の近くの丘の上か ら、川越しをみた。 御柱が川の中を無事わたりおえた 時は、感激したな」 清太は、川越し…

ばら

「花のほほえみ」より ばら

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの21 「その場所はね、諏訪の神様が 住んでいる守屋山のふもとなんだ。 春になるとね、林の湿地に、座禅 草がかわいい芽をだすんだよ」 いつも無口な清太が、今日は一人 でしゃべっています。 「今日の清太さんは、別人みたい」 き…

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの20 「これから、高原へ行こう」 「これから?」 「そう、これから。昨日、庄屋 さまのおともで高原を通ったら、 座禅草の花が咲いていた」 「座禅草の花?」 「おじょうさまは、座禅草の花 を知らないの」 「どんな花?」 「座禅…

ばら

「花のほほえみ」より ばら

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの19 「庄屋さまは、いい息子さんが いて、幸せじゃのぅ」 「いや、清太は、わしの息子で はないのじゃ。 わが家で働いている少年じゃ。 こんなすてきな息子がいたら、 うれしいのだが」 清太と吉衛門は、なぜか親子に まちがわれま…

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの18 「いや・・・なんでもない」 「変な清太さん。困ったことがあ ったら、なんでも話してね」 清太は、白駒のことを、何度きよ に話そうとしたことか。 でも、なぜか話すことができませ んでした。 十二才の清太にとって、何頭も…

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの17 二時間後。 「もしかしたら、馬小屋にもどっ ているかもしれない」 清太は、急いで馬小屋へもどりま した。 いました。 白駒は、何事もなかったかのよう に、えさを食べています。 「よかった。白駒、どこへ行ってい たの? 心…

ほととぎす

「花のほほえみ」より ほととぎす

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの16 「夢か・・・」 白駒のことが心配になった清太は、 馬小屋へ急ぎました。 小屋をのぞいた清太は、心臓がと まるくらいびっくりしました。 白駒がいません。 あれは夢ではなく、ほんとうのこ とだったのでしょうか。 清太は、他…

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの15 年の近い二人は、すぐ仲良しに なりました。 きよは、白駒の様子をみに、毎 日馬小屋へやってきます。 そして、馬の世話をしている清 太のそばで、楽しそうにおしゃ べりをしていきました。 清太が庄屋の家へきて十日後。 月の…

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの14 きよは、清太の顔をみた時、いつ かどこかで会ったことがあるよう な、とてもなつかしい気がしました。 一方、清太は、「あっ、ふくちゃん」 とさけびそうになりました。 朝日長者の娘、ふくにそっくりだっ たからです。 「ふ…

ほととぎす

「花のほほえみ」より ほととぎす

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの13 「清太。わしのひとり娘、きよじゃ。 今、九才」 「きよです。よろしく」 「おらの名前は、清太。十二才。 諏訪からきました。おじょうさま、 よろしく」 「清太には、白駒の世話をしても らおうと思っている」 「清太さんが、…

ほととぎす

「花のほほえみ」より ほととぎす

女神さまからのおくりもの

女神さまからのおくりもの12 「わしも、大好きじゃ。 白駒は、やさしい目をしている。 わしは若い時から、この家で馬の 世話をしてきた。 でも、こんな利口な馬は、初めて じゃ」 おじいさんは、感心したようにい いました。 白駒が一才になると、きよは白…