2018-01-01から1年間の記事一覧

竹取物語

[童話]竹取物語 竹取物語 92 第七章 石上の中納言と燕の子安貝 8 「わしが登って、巣をさぐろう」 中納言は籠に乗り、綱で吊りあげ られ、燕の巣の中をのぞきました。 すると。 燕が尾を上へあげて、ぐるぐると まわっています。 「よーし、子安貝をとる…

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[童話]竹取物語 竹取物語 91 第七章 石上の中納言と燕の子安貝 7 日が暮れたので、中納言は、例の 大炊寮(おおいづかさ)へ行き、燕 の巣をみました。 倉津麻呂が教えてくれたように、燕 が尾を上にあげまわっています。 「燕が、卵を産むぞ」 中納言は…

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[童話]竹取物語 竹取物語 90 第七章 石上の大納言と燕の子安貝 6 それを聞いた中納言は、喜びま した。 そして、ひそかに大炊寮(おおい づかさ)に出掛け、家来たちの中 に交じって、燕が卵を産むのを監 視しました。 中納言は、倉津麻呂が燕の子安 貝の…

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[童話]竹取物語 竹取物語 89 第七章 石上の中納言と燕の子安貝 5 「それはいい考えだ」 中納言は、高い足場を壊し、家来た ちに邸へ帰ってくるように伝えました。 「燕が卵を産むかどうか、どうやっ たらわかるのか」 中納言が倉津麻呂に聞くと、 「燕が…

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[童話]竹取物語 竹取物語 88 第七章 石上の中納言と燕の子安貝 4 中納言は、その老人に直接会い、 子安貝をとる方法を聞きました。 「今やっている方法では、子安貝 はとれません。高い足場に、二十 人もの人が登っていては、燕が怖 がって巣に帰ってきま…

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[童話]竹取物語 竹取物語 87 第七章 石上の中納言と燕の子安貝 3 「燕の子安貝は、とれたか」 中納言は、使者を派遣して聞きま した。 燕は、人がおおぜい登ってきて、 巣をのぞいているので、巣に帰っ てきません。 燕の様子を聞いた中納言は、「ど うや…

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[童話]竹取物語 竹取物語 86 第七章 石上の中納言と燕の子安貝 2 「大炊寮(おおいづかさ)にある柱 の穴に、燕がいくつも巣を作ってい る。家来を連れていき、足場を高く くみ、燕の巣をのぞけば、卵をうん でいるかどうかわかります」 すると、中納言が…

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[童話]竹取物語 竹取物語 85 第七章 石上(いしのかみ)の中納言と燕の子安貝 1 中納言石上磨足が、家来たちに いいました。 「燕が巣を作ったら、知らせな さい」 「何の為ですか」 「燕が持っている子安貝をとるた めじゃ」 「燕を何羽殺しても、腹の中…

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[童話]竹取物語 竹取物語 84 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 19 きれいな糸を使ってふかせた屋 根は、鳶や烏が巣を作るために、 全部くわえて持っていってしま いました。 世間の人は、いいました。 「大伴の大納言さまは、龍の頸 の玉をとってきた…

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[童話]竹取物語 竹取物語 83 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 18 大悪党のかぐや姫は、わしやわ しの家来たちを殺そうとして、 こんな難題をだしたのだ。今後 は、かぐや姫の家へは近寄らな い。おまえたちも、あのあたり を歩いてはならぬ」と。 大…

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[童話]竹取物語 竹取物語 82 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 17 すると、大納言が起き上がり、い いました。 「おまえたち、龍の頸の玉など持 ってこなくて、本当によかった。 龍は、恐ろしい雷と同じ仲間だっ た。龍の頸の玉をとろうとして、 わし…

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[童話]竹取物語 竹取物語 81 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 16 そのうわさをどこで聞いたのか、 家来たちが次々に帰ってきました。 「龍の頸の玉をとることができな かったので、屋敷に帰ることがで きませんでした。 でも、今は、龍の頸の玉をとる…

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[童話]竹取物語 竹取物語 80 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 15 松原にむしろをしき、大納言に 船からおりるようにいいました。 大納言は、やっとのことで起き 上がりました。 大納言は、重い風邪にかかった 人のように、腹がぽっこりと膨 らみ、両…

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[童話]竹取物語 竹取物語 79 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 14 三四日、順風が吹き、船を陸地 につけることができました。 船頭が浜をみると、そこは播磨 の明石の海岸でした。 大納言は、南海の浜に吹き寄せ られたのだろうと思い、しょん ぼりし…

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[童話]竹取物語 竹取物語 78 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 13 大納言は、立ったり座ったりして、 千回位神様に祈りました。 祈りがきいたのか、やっと雷が鳴 りやみました。 でも、まだ強い風が吹いています。 「やはり、龍のしわざだったのだ。 …

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[童話]竹取物語 竹取物語 77 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 12 あなたが、龍を探し殺そうと思っ ているから、こんなことになって いるのです。龍が怒っているので すよ。早く神様に祈ってください」 「神様、どうかわしの話を聞いて ください。わし…

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[童話]竹取物語 竹取物語 76 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 「船に乗ったら、船頭だけを信頼 するものだ。それなのに・・・な ぜ頼りないことをいうのか」 船酔いのため、大納言は口から物 をはきながらいいました。 「わしは、神様ではないので、何 …

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[童話]竹取物語 竹取物語 75 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 10 「今まで、こんな苦しい目にあっ たことは一度もない。どうなって しまうのか」 すると、船頭が。 「長い間、このあたりを船で通っ ているが、こんないやな目にあっ たことは一度もな…

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[童話]竹取物語 竹取物語 74 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 9 大納言は、二人の家来と船に乗っ て、龍の頸の玉を探しに行きました。 あちらこちらの海をまわるうちに、 筑紫の海にたどりつきました。 ところが・・・。 どうしたことか、疾風が吹き出…

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[童話]竹取物語 竹取物語 73 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 8 すると・・・。 「ふしぎな話ですなー。そんな 仕事をしている船などありませ んよ」 船長たちが、笑いながらいいま した。 その話を聞いた大納言は、 「臆病な船長たちだ。わしの実 力…

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[童話]竹取物語 竹取物語 72 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 7 大納言は、家来たちからの連絡を、 首を長くして待っていました。 でも、いくら待っても、連絡があ りません。 しびれをきらした大納言は、家来 を二人連れ、難波の港まで様子を みに出…

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[童話]竹取物語 竹取物語 71 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 6 一方、大納言は、「かぐや姫を迎 えるには、この家ではみすぼらし い」といって、立派な家を建てま した。 壁は、漆を塗り、その上に蒔絵を。 屋根は、糸をいろいろな色に染め てふきま…

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[童話]竹取物語 竹取物語 70 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 5 「じゃあ、足の向いた方へ行って、 玉を探してこよう」 「大納言さまは、物好きな人じゃ のぅ。龍の頸についている玉など、 とれるはずもないのに。何を考え ているのか」 「無理なこと…

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[童話]竹取物語 竹取物語 69 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 4 大納言は、龍の頸の玉をとるため に、家来たちを派遣することにし ました。 家来たちには、道中の食料の他に、 屋敷にあった絹や綿や金などを持 たせました。 「おまえたちが、龍の頸の…

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[童話]竹取物語 竹取物語 68 第六章 大伴御幸大納言と龍の頸の頸の玉 3 家来たちは、ふるえあがりました。 「大納言さまの命令なら、しかた がありません。龍の頸の玉を探し てきます」 すると、大納言が機嫌をなおし、 「おまえたちは、わしの家来とし …

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[童話]竹取物語 竹取物語 67 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 2 どうやって、龍の頸から玉をとっ たらいいのか。龍を見つけるこ とさえ難しいのに」と。 それを聞いた大納言は、かんか んにおこりました。 「わしに仕えている者は、命を 捨てても、命…

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[童話]竹取物語 竹取物語 66 第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 1 大伴御行大納言は、すべての 家来を集め、命令しました。 「龍の頸には、五色の光を発す る玉がついているそうだ。龍の 頸についている玉をとってこい。 玉をとってきた者には、ほうび …

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[童話]竹取物語 竹取物語 65 第五章 阿倍の右大臣と火鼠の皮衣 14 ある人は、「火鼠の皮衣を火に くべたら、めらめらと燃えてしま ったとのこと。だから、かぐや姫 とは結婚しなかったようですよ」 といいました。 人々は、安倍の火鼠の皮衣の話を 聞い…

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[童話]竹取物語 竹取物語 64 第五章 阿倍の右大臣と火鼠の皮衣 13 「ああ、よかった。これで、安倍 さまと結婚しなくてもいい」 かぐや姫が、笑いながらいいま した。 そして、安倍が詠んだ歌に返歌 をし、箱に入れて返しました。 名残なく燃ゆと知りせ…

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[童話]竹取物語 竹取物語 63 第五章 阿倍の右大臣と火鼠の皮衣 12 すると、安倍が、 「この皮衣は、唐にもなかった 物を、やっとの思いで手に入れ た物。かぐや姫は、何を疑って いるのでしょう」と、いいました。 その後。 皮衣を火にくべると、めらめ…