2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 リズム良く娘が階段を上り下りする 音羨しわが叶はねば 塩麹のブーム来たりて漬け込みし 絹豆腐の味チーズの如し

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 二十度の角度に整然と東南に向く メガソーラー光輝く 「心ひとつ」の赤たすきかけ相馬市長 東京マラソン完走したり

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 百円にて三鉢買ひ来し胡蝶蘭 娘は丹精込め見事咲かせむ 弱き身をいとほしみ生き平均寿命 八十六の誕生日今日

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 御神渡りのロマンを思ひ四年ぶりの 氷のせり上がる音を聞きをり 男神が上社より下社の女神様へ 向ひし跡とふ今朝御神渡り

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 指折りて初めて短歌詠める娘に わが遠き日の姿の浮かぶ 亡き父の網を被りて養蜂に 励みゐし姿ありあり浮かぶ

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 還暦を過ぎたる子等と老いを忘れ セブンブリッジの遊びに興ず 同居せし吾の短歌に刺激され 娘は指折り歌詠みはじむ

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 学び終へ就職決まりしを孫は告ぐ 心身共に逞しく見ゆ 久々に訪ね来し孫と在りし日の 娘を語れば悲しみの湧く

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 「歳だから」「まだ若いよ」を使ひ分くる 巧さを子に指摘されたり はらからと競ひ作りし紅白の 繭玉飾りし遠き日ありき

光回線の工事

フレッツADSL回線が、来年一月末に 終了との知らせが届きました。 この回線を十八年お世話になりました。 9月―10月 どの会社の光回線にしたらいいか、ネッ トで検索。 11月4日 ○○○光の支店へ行き、光回線の申し込み をしました。工事までの間、自…

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 年の暮の門松飾る飯田の町 買物客の人影もなし お節料理のわが分担は栗きんとん 黒豆田作百合根と決まる

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 娘等との暮らしとなりし終の住処 除夜の鐘をば幾度聞き得るや 移り来て日々に眺むる赤石の嶺 今日はくきやかに紫紺に暮るる

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 裾野迄形良く見ゆる風越山 見飽かず仰ぎ買ひ物にゆく 水車小屋に搗きゐし母の姉さん被り 偲び精米機の搗き初めをする

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 被災せし松の木に作りしコカリナの 優しき音色は心和ます 嬉しさと寂しさ交々に移り来て 日々に嬉しき心増し来ぬ

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 わが人生の終の住み家と移り来し 娘の家の暮しに足りぬ 「おばあちゃん御飯ですよ」だけでなく 炊事当番吾も受け持つ

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 娘の許へ身を寄せし吾にかけ呉るる 言葉は立場によって異なる 娘等の早寝早起きの生活に 日々に馴れ来てひと月過ぎぬ

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 つけ呉れし緊急通報使ふなく 今日は返して娘の家へ移る 嫁をとり娘等を嫁がせ夫を送りき この家の五十年思ひは深し

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 墓を清め娘の家へ行くを夫に告ぐ 心安らに夫もなりしか 何処よりか種の舞ひ来て育ちしか 夫の墓辺に秋桜赤し

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 白鼻心に大方やられ獣の臭 残る蜀黍の片付けをなす 親を看取るは大役なるに易々と 受け入れ呉れし娘夫婦よ

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 「チロルの森」の草原に遊ぶ山羊の群 乳を搾りし遠き日思ふ 避難所より仮設住宅に移りたる 老い等の孤独死心の痛む

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 リニア線が飯田を通るは十七年後 もはや黄泉なる夫と居るらむ とり残しのゴーヤーいつしか橙色 不気味に割れて赤き種見ゆ

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 里芋の葉にたまりたる露玉に 亡き兄と飾りし七夕想ふ 馬鈴薯を掘れば忽ち天道虫 茄子やトマトの葉に散らばりぬ

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 曾孫の健やかな成長祈りつつ 吊し雛二連十四体を縫ふ それぞれに深き意味持つ吊し雛 米俵は食蛤は貞操

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 夕菅の莟数へる夕べの庭 青蛙幾匹か葉群より飛ぶ 年々に娘ととり来し山蕗も 今年は買ひて伽羅蕗を煮る

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 被災者等を置き去りにせし政争に 政治不信の益々つのる 母の日に瓦礫の上に白カーネーション 供へる若き等の姿よ哀し

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 梅雨の晴れ間草とる庭に風出でて ローズマリーの香漂ひて来ぬ 打ち込めるものある幸を思ひつつ 曽孫に送らむ吊し雛縫ふ

母の短歌

[母の短歌]追憶の風 福島の七千戸の農家が 米作付け禁止となりしと今日は聞きたり 初どりのアスパラガスを手折る音 雨の上がりし畑に心地良し