[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」７１ 大国主命少名毘古那（すくなびこな）１ ある日。 大国主命が、出雲の御大の岬に立っていると、 はるかむこうに小さな舟がみえました。 舟は、どんどんこちらへ近づいてきます。 舟にのっている…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」７０ 大国主命大国主命の試練 １４ その後。 大国主命は、須佐之男命からもらった太刀 と弓矢を持って、八十神たちをうちにいき ました。 八十神たちが逃げ回るのを追っかけ、すべ ての兄弟を滅ぼし…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」６９ 大国主命大国主命の試練 １３ しばらくすると、命が黄泉比良坂（よもつ ひらさか）まで追いかけてきました。 この坂は、黄泉の国と地上との境にある坂。 昔、伊耶那岐命が黄泉の国から逃げだし…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」６８ 大国主命大国主命の試練 １２ ところが、抱えていた琴が、木の幹にぶつかり、 「じゃら・じゃら・じゃらーん」と、大きな音 をたて鳴りだしました。 命は、その音で目をさましました。 髪の毛…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」６７ 大国主命大国主命の試練 １１ 大国主命は、ぐずぐずしていると、この先どん なひどいめにあうかわからないと思いました。 命の長い髪をいく束にも分け、四方のたる木へ しばりつけました。 そ…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」６６ 大国主命大国主命の試練 １０ 困ったなと思っていると、須勢理比売がそばへ 来て、椋の実と赤土をわたしてくれました。 「これでどうするの」 大国主命は、須勢理比売に目でたずねました。 す…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」６５ 大国主命大国主命の試練 ９ 命も、「今度こそ死んだだろう」と思い、須勢 理比売の後をついていきました。 すると。 大国主命が、元気な姿で、焼けあとの中から出 てきました。 そして、矢を渡…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」６４ 大国主命大国主命の試練 ８ 大国主命が、足元をどんとふむと、下は大きな 穴になっていました。 穴の中へ入り、身をかがめ隠れていると、近く まで燃えてきた火が穴の上を通り、向こうへ遠 の…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」６３ 大国主命大国主命の試練 ７ 「今飛んでいった矢を拾ってこい」 命は、大国主命に命じました。 大国主命は、背丈ほどある草をかき分け、矢を さがしました。 でも、矢はみつかりません。 命は、…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」６２ 大国主命大国主命の試練 ６ 大国主命は、その夜も、そのひれでむかで や蜂を追いはらい、ぐっすり眠ることがで きました。 須勢理比売のおかげでした。 二度の試練を無事にきりぬけた大国主命…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」６１ 大国主命大国主命の試練 ５ その後。 蛇たちは、二度と大国主命にむかってくる ことはありませんでした。 須勢理比売のおかげで、大国主命は朝まで ぐっすり眠ることができたのです。 次の朝。…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」６０ 大国主命大国主命の試練 ４ 心のやさしい須勢理比売は、大国主命を気の 毒に思い、比札といって肩かけのようなきれ をそっと渡しました。 「もし蛇が近づいてきたら、このひれを三度 ふって、…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」５９ 大国主命 大国主命の試練 ３ 「気にいらん」 命は、小声でつぶやきました。 「こんな男に、だいじな娘をとられてたまる か」 そう思った命は、大国主命が娘の婿としてふ さわしいかどうか、い…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」５８ 大国主命 大国主命の試練 ２ 「お父さま。玄関に、美しい青年が訪ね てきています」 「何、美しい青年だと」 命は玄関へ行き、大国主命をじろりと観 察しました。 玄関に立っていたのは、清ら…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」５７ 大国主命 大国主命の試練 １ 大国主命は、木国の大屋毘古神（おおやびこ のかみ）を訪ね、地底の国・根之堅州国（ね のかたすくに）へ行く道を教えてもらいました。 やっと根之堅州国へ着きま…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」５６ 大国主命 赤い猪 ６ 「これ以上、おまえをここにおいておくわけ にはいかない。すぐに、須佐之男命（すさの おのみこと）さまが住んでいる根之堅州国（ね のかたすくに）へ逃げなさい。そうす…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」５５ 大国主命 赤い猪 ５ ある日。 八十神たちは、大国主命をだまし、今度は 別の山へつれていきました。 八十神たちは大きな木を縦にさくと、切れ 目にくさびを打ちこみました。 そして、いやがる…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」５４ 大国主命 赤い猪 ４ 二人が下界へつくと、大国主命はまっ黒こげ になって倒れていました。 すでに息はありません。 赤貝は自分の殻をけずり、それを焼いて黒い 粉をつくりました。 蛤は体液を…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」５３ 大国主命 赤い猪 ３ 「あっ」 声をあげた時には、大国主命の体は、赤く焼 けた石のはだにこびりついてしまいました。 大国主命は、焼け死んでしまったのです。 そのことを知った大国主命のおか…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」５２ 大国主命 赤い猪 ２ 頂上へ着いた八十神たちは、木の枝をたくさ ん集め、大きな火をたきました。 そして、火の中へ、猪の形をした大きな石を 投げこみました。 しばらくすると、石が真っ赤に焼…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」５１ 大国主命 いなばのしろうさぎ ８ 八上比売のことばを聞いた八十神たちは、おこ りました。 「あんな男のどこがいいのだ」と。 そして、「大国主命を殺してしまおう」と、み んなで相談したので…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」５０ 大国主命 いなばのしろうさぎ ７ 「あんな意地の悪い八十神たちは、八上比売を 妻にすることはできません。八上比売は、きっ とあなたのお嫁さんになりますよ。みていてご らんなさい」と。 う…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」４９ 大国主命 いなばのしろうさぎ ６ 教えてもらった通りに、海水で体を洗い風に吹 かれていると、体中の皮がこわばり、びりびり さけてしまったのです。 そういうと、うさぎは「うわーん、わーん…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」４８ 大国主命 いなばのしろうさぎ ５ わしは、十・五十・八十・百・二百・・三百と 数えながら、鰐の背中の上を、ぴょんぴょん渡 っていきました。 そして、もう一足で岸へあがろうとした時、ゆ だ…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」４７ 大国主命 いなばのしろうさぎ ４ そこへ通りかかったのが、大国主命。 「うさぎよ、なぜ泣いているのだね」 「わしは、淤岐（おき）の島に住んでいた うさぎです。なんとかして本土へ渡りたい…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」４６ 大国主命 いなばのしろうさぎ ３ それをみた八十神たちは、 「うさぎよ。毛をはやしたければ、海の水に つかり、高い山の上で風に吹かれて寝ている がいい。そうすれば、すぐ毛がはえてくるぞ…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」４５ 大国主命 いなばのしろうさぎ ２ ある日。 八十神たちは、稲羽（いなば）の国に、八上 比売（やかみひめ）という美しい女性がいる と聞き、求婚するため稲羽の国へでかけました。 「わしらの荷…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」４４ 大国主命 いなばのしろうさぎ １ 大国主命（おおくにぬしのみこと）には、八十 神といって、おおぜいの兄弟がいました。 大国主命は、天之冬布（あめのふゆきぬ）と刺 国若比売（さしくにわか…

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」４３ 八岐大蛇（やまたのおろち）８ 須賀の地が気にいった命は、その地に立派な宮殿 を建てました。 その時、雲がもくもくと立ちあがったそうです。 その時に、命が詠んだ歌。 八雲たつ 出雲八重垣 …

[童話]古事記神話「古事記物語」 古事記神話「古事記物語」４２ 八岐大蛇（やまたのおろち）７ 後日。 命は、その太刀を、天照大御神に献上しま した。 その太刀が、日本武命が火ぜめにあった時、 草をなぎはらったという「草薙の剣」なの です。 八岐大蛇を…