古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」


古事記神話「古事記物語」71


大国主命

少名毘古那(すくなびこな)1
 

ある日。
大国主命が、出雲の御大の岬に立っていると、
はるかむこうに小さな舟がみえました。
舟は、どんどんこちらへ近づいてきます。
舟にのっているのは、小さな神様とお供たち。
ガガイモの細長い実を割って作った、小さな
舟でした。
小さな神様は、鵝(かり)の皮をはいで作っ
た衣を着ています。


「どなたかな」
大国主命が、小さな神様にたずねました。
でも、何も答えません。
お供のものに聞いても、名前がわかりません。
「あの小さな神様は、誰じゃ」
大国主命は、近くにいたひき蛙に聞きました。


        つづく