2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧
ふしぎなリュック 13 「リーン・リーン・コロンころん」 「リーン・リーン・コロンころん」 美しい鈴の音が、あたりにひびき わたりました。 「古杉先生はね・・・ずっと昔、小 桜姫の・・・だった人よ。二人がこ の世で会えて、本当によかったね」 風が桃…
ふしぎなリュック 12 「十年後、この丘の桃の花が満開 になった日、かなさんが行きたい と思う所へ、つれていってあげま しょう」 そういうと、黄金色のリュックは、 またもとの灰色のリュックにもど ってしまいました。 気がつくと、鈴ももとの鈴にもど …
ふしぎなリュック 11 私はただの古いリュックではない のです。遠い昔、三浦家に伝わっ たリュックで、行きたいと思う所 へ、さっと飛んでいけるふしぎな リュックなのです。 かなさんが好きな月や星へも行け ますよ。なくなったおとうさんた ちが住んでい…
ふしぎなリュック 10 鈴がぴかっぴかっと黄金色に輝き だしたのです。 すると、先生の背中のリュックが、 鈴めがけてころんところがってき ました。 そして、灰色のリュックも、ピカッ ピカッ、キラッキラキラと、黄金 色に輝きだしたのです。 「なんて美…
ふしぎなリュック 9 うちじにしている人々…血まみれ になり、なきさけんでいる人々。 「もしかしたら…私は昔三浦半島 の城に住んでいたことがあったの かもしれない。そして、かなもい っしょに暮らしていたのかもしれ ない。 でも…かなはまだ四年生、今こ…
ふしぎなリュック 8 すると…。 先生の頭の中に、遠い昔のことが、 ぼんやりとうかんできたのです。 どこかの海岸…おや?この海岸は、 この春行った三浦半島の海岸にそ っくりだが…。 白いお城…なつかしいなぁ。私は この城に住んでいたことがあるよ うな気…
ふしぎなリュック 7 かなはポケットの中から、鈴をとり だしました。 その鈴をみた先生は、なつかしい気 がしました。 「桃の形の鈴、どこでみたのだろうか」 しかし、どこでみたのか、先生には 思い出せませんでした。 「私はどこかでこの鈴をみたことが …
ふしぎなリュック 6 先生はかなの横に腰をおろし、い っしょに空をみあげました。 空には白い雲がぽっかりうかんで います。 かなは先生と話していると、心の 中がぽかぽかと温かくなってくる ような気がしました。 「いつまでも先生といっしょにい たい」 …
ふしぎなリュック 5 「何の音だろう?」 かなは音のする方をみました。 小さな鳥が、桃の枝にとまってい ました。 「初めてみる鳥だけれど、なんと いう鳥だろうか」 かなは、その鳥をじっとみていま した。 すると、古杉先生がやってきました。 「かな、何…
ふしぎなリュック 4 「かなはなんて清らかな目をして いるのだろう。こんな目をした人 と、いつかどこかであったことが あるような気がする。どこであっ たのだろうか」 先生は、かなのことが気になって しかたがありません。 古杉先生がこの学校にきてから…
ふしぎなリュック 3 ぜんぜん知らない人だったのだろ うか。それとも仲のいい兄と妹だ ったのだろうか。仲の良い父と娘 だったのだろうか・・・。いや、 おじとめいだったのかもしれない。 もしかしたら、私とかなは仲のいい 夫婦だったのかもしれない」 古…
ふしぎなリュック 2 「なぜ灰色のリュックのことが、気 になるのだろうか」 かなはふしぎに思いました。 古杉先生もかなの顔を初めてみた 時、いつかどこかで会ったことが あるような、とてもなつかしい気 がしました。 「どこで会ったのだろうか?」 でも…
ふしぎなリュック 1 かなは四年生になりました。 かなの学校へ、古杉先生が転校し てきました。 小柄な色の白い先生でした。 先生はかなのクラスの担任になり ました。 先生は、いつも背中に、灰色のリュ ックをしょっています。 そのリュックは、さんざん…
お月さまの耳かざり 9 その夜、かなはお月さまをみました。 お月さまの顔は、昨夜よりふっくら しています。 「お月さま、昨日は星の耳かざりを ありがとう。耳かざりのおかげで、 かあちゃんは少し元気になりました。 お月さま、本当にありがとうござい ま…
お月さまの耳かざり 8 すると・・・。 おかあさんのほおが、ほんのり赤 くなりました。 次の朝、かなが目をさますと、お かあさんは朝ごはんのしたくをし ていました。 「かあちゃん、おきてだいじょう ぶ?」 「かな、だいじょうぶだよ。かな に耳かざりを…
お月さまの耳かざり 7 おかあさんは乳にがんができて、 この間手術をしたばかりです。 おかあさんは乳を切ってしまっ たので、手が上にあがりません。 ふっくらしていたおかあさんの 顔が、日ごとにやせていくのを みて、かなは心配していました。 「そうだ…
お月さまの耳かざり 6 かなとりゅうは、いそいで家に帰 りました。 「かあちゃん、かあちゃん。たい へん、たいへん」 かなはねているおかあさんの枕元 へ、とんで行きました。 「かな、すてきな耳かざりね。ど なたにいただいたの?」 おかあさんはかなに…
お月さまの耳かざり 5 「誰だろう?」 あたりをみまわしましたが、誰も いません。 空をみあげると、お月さまがにっ こり笑っていました。 「あっ!」 かなが大声でさけんだ時、お月さま の耳についていた星が、するすると おりてきました。 そして、かなの…
お月さまの耳かざり 4 「あっ、たいへん!」 かなが大声でさけんだ時、お月さ まの耳のあたりに、金星がぴたっ とつきました。 「わぁー、お月さまの耳かざりみ たい。すてきだわ。私もあんな耳 かざりがほしいなぁ」 すると、どこからか声が聞こえて きま…
お月さまの耳かざり 3 長い坂道をのぼり、平らな道にでた 時、空にはもうお月さまがでていま した。 今日のお月さまは細い三日月です。 その時、お月さまにむかって、きらっ きらっと光りながら、星が近づいてく るのをみつけました。 その星はだんだんにお…