2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

昭和60年代の歌17

梅雨の雨に幾日こもれる間に梔子の 若葉食ひ荒す虫は太れり 在りし日に夫の植ゑし岩煙草 蹲のかたへに花咲き出でぬ 血圧の高き姉に贈るアマチャヅル ドクダミ摘まんと梅雨明けを待つ 整枝済みし松に来て鳴く蝉を聞き 落ちし松葉を拾ひ集むる

りゅうの俳句1243

・この男子 紅葉しては 桜なり ・山々に 心配したる あたりだね ・この狩りで 紅葉される 力持ち ・あの蜜は あたたかな日が 桜かも ・この歌で 紅葉される ひきしまり

白椿

「花のほほえみ」より 白椿 今年も、白い椿が咲きました。 南天の赤い実と一緒に、部屋にか ざりました。

げら、桜が咲いたよ

げら、桜が咲いたよ7 そうだ、ほかの鳥にも知らせてあ げよう」 「そうね、みんなよろこぶわ」 おじいさんには、げらたちの鳴き 声が、こんなふうに聞こえました。 雪はまだちらちらと降り続いてい ます。 おじいさんの家が、庭が、雪で真 っ白になりました…

りゅうの俳句1242

・この桜 紅葉したり おとうさん ・この花は 満足すると 桜だね ・山々や 紅葉したり 楓だね ・あの桜 紅葉すれば 柳かな ・あの星は 紅葉しては 桜かも

昭和60年代の歌16

三日前に声聞きたしとかけくれし電話が 友との終の別れとなりぬ 朝の日は 厨の窓に明るくて 季の移りを思ひ茶をのむ 再びの海外勤務で汝出発の今日は 鳥の声にも心乱しぬ 心配をかけぬが何よりの孝行と 母に言はれしを吾も娘に言ふ

はなのきの紅葉

「花のほほえみ」より はなのきの紅葉

げら、桜が咲いたよ

げら、桜が咲いたよ6 桜が満開になった次の日。 窓をあけたおじいさんは、「あっ」 と声をあげました。 雪がちらちらと降っていたのです。 初雪でした。 雪はなかなかやみません。 桜の枝にも、花にも、雪が少しず つつもっていきます。 すると・・・。 庭…

りゅうの俳句1241

・この雪の 紅葉したる 桜かも ・その桜 満足したる おじいさん ・この姿 紅葉したら 桜だね ・あの桜 心配したる 桜なり ・あの廻り 紅葉したる 雲の上

昭和60年代の歌15

雲の上に雪の富士山浮びをり 大門峠に立ちて見さけぬ 白樺湖の湿原散策路に座禅草を 初めて見しは今日の喜び 素足にて今日も踏み居る青竹の 冷たさに心ひきしまりゆく アカシヤの蜜を運べる蜜蜂の 巣箱の廻り花の香漂ふ

しくらめん

「花のほほえみ」より しくらめん

げら、桜が咲いたよ

げら、桜が咲いたよ5 「ギーィギィーギーィ」 庭で、げらの声がします。 おじいさんは、いそいで外に出て みました。 げらのほかに、もう一羽います。 どうもげらのガールフレンドのよ うです。 げらは、おじいさんに、ガールフ レンドを見せにきたのでしょ…

りゅうの俳句1240

・この桜 満足しては おじいさん ・満開に 散策したり おじいさん ・あの庭が 満足すれば おじいさん ・その桜 散策したら 桜かも ・あの母が みずに逝きたる 姿かな

昭和60年代の歌14

娘等を頼ることより頼られること 多き今を幸と思ひぬ わが生れた年に植ゑられし飯田駅の 古き柳も伐られてしまひぬ 山茶花の赤く咲く木の下に餌台置く 子の家の庭に小鳥ら集ふ 温かき朝日の軒に冬越えし 折鶴蘭の鉢を吊しぬ

桜紅葉

「花のほほえみ」より 桜紅葉

げら、桜が咲いたよ

げら、桜が咲いたよ4 二週間後。 げらは、なぜか姿を見せなくなり ました。 他の小鳥たちは、毎日きているの に、げらだけはきません。 「げらはどうしたのだろう?」 おじいさんは、げらのことが心配 でたまりません。 ぴゅーぴゅーと風が吹く、寒い季 節…

りゅうの俳句1239

・あの桜 あたたかな日が 桜かも ・あの庭の 心配すれば おじいさん ・あの背が 紅葉された 南かな ・この桜 心配すなる 姿かな ・そのつぼみ 心配したる 姿だね

昭和60年代の歌13

名も知らず冬咲く花をめで来しが 今日はテレビにてヒマラヤスミレと知りぬ 温かき日を背にうけて春野菜播く このひとときのこよなく楽し ボランティアの給食サービス務め来て 疲れ覚ゆれど心足らへり 子の新居見ずに逝きたる夫の写真 持ち来て一週間は忽ち過…

柿の実

「花のほほえみ」より 柿の実

げら、桜が咲いたよ

げら、桜がさいたよ3 見ると、桜の木に、小さな鳥がき ています。 その鳥は、くちばしで木の皮をつ つきながら、「ギーィ、キキキ」と 鳴いています。 「あっ、こげらだ。かわいい鳥だな」 おじいさんは、白と黒のチェックの コートをきたこげらが、いっぺ…

りゅうの俳句1238

・この山で 紅葉しては おじいさん ・あの姿 植えてあります つぼみかな ・この花で あたたかな日が 桜かな ・この実の 心配される 桜だね ・このつぼみ 紅葉すると つぼみなり

昭和60年代の歌12

自らの墓の成りしを喜びゐし 君忽ちに逝きてしまひぬ 別れぎはの友の一言心に重く 残りしままに帰り来りぬ 冬のうち部屋に囲ひし玉すだれ あまたの花芽膨らみて来ぬ 親しみし心離るるもしかたなし 凍てつく道を帰り来りぬ

りんご

「花のほほえみ」より りんご

げら、桜が咲いたよ

げら、桜が咲いたよ2 おじいさんの庭には、小鳥たちの ために、南天・梅もどき・まゆみ など、実のなる木がたくさん植え てあります。 大きな桜の木もありました。 春だけでなく、初冬にも花が咲く 珍しい桜でした。 おじいさんは、初雪が降る頃咲く、 この…

りゅうの俳句1237

・あの庭は つついています おじいさん ・くちばしを つついています 桜かな ・この朱が 紅葉したり おじいさん ・大空に つついています 南かな ・この名は 見ずに逝きたる おじいさん

昭和60年代の歌11

ベランダに白く乾ける大根を もみつつ嫁ぎし娘を思ひをり 一枚となりしカレンダーの風に鳴る 二階の部屋に硝子戸を磨く 久々に訪ね来し娘は編みかけの セーター持ち来て唯に編みをり 掃き寄するも松葉のみなる冬の庭 藪柑子の朱実に朝光集まる

白駒の池物語

「白駒の池物語」は、信州佐久にあ る「白駒の池」に伝わっている話を ヒントにして、みほようこが書いた 物語。 昨日(11月23日)の分は、こちら。 http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081123#p 長い間、「白駒の池物語」を読んで いただきありがとうご…

桜紅葉

「花のほほえみ」より 桜紅葉

げら、桜が咲いたよ

げら、桜が咲いたよ1 「ピーヒョロロ、ピーヒョロロ」 大空を、とびがゆっくりとんでい ます。 ここは、南アルプスの山々が目の 前にみえる山深い村です。 村のはずれに、小鳥の好きなおじ いさんが、一人で暮しています。 おじいさんは九十才を過ぎていま …

りゅうの俳句1236

・この山を 紅葉したる 桜なり ・この花を あらわれました 物語 ・あの小鳥 紅葉しては おじいさん ・その終 話されたり 囲炉裏だね ・あの南 紅葉すなる 小鳥なり