2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

カナダおだまき

「花のほほえみ」より カナダおだまき

火とぼし山

火とぼし山51 すると・・・。 「あっ、次郎さんだ。約束通り、 火をたいてくれたのね。 ありがとう、次郎さん。今、行く からねー」 きよが、大声でさけびました。 みると、西の山に、小さな火がと もっています。 「あの火が、二人の合図なのか。 それに…

楓若葉

「花のほほえみ」より 楓若葉

火とぼし山

火とぼし山50 「私には、きよの気持が、よくわ かるわ。 危険をおかしてまでも、一分でも 早く、大好きな人に会いたいとい う気持。男のあなたには、わから ないでしょうね」 手長がいいました。 「わしにだって、わかるさ。 でも、こんな夜中に、湖を泳い…

童話集「竜の姿をみた少女」

昨年12月、「鳥影社」から、 みほようこの五冊目の童話集 「竜の姿をみた少女」が、発売さ れました。 ビーケーワン・アマゾン・楽天・ 紀伊国屋書店・ジュンク堂などで、 本を発売中。 全国の公立図書館でも、本を購入 していただいております。 童話集「…

火とぼし山

火とぼし山49 「何の音だろう」 手長と足長は、あたりをみわたし ました。 月あかりに照らされてみえたもの、 それは湖を泳いでいる娘の姿でした。 娘は、頭に荷物をのせ泳いでいます。 「どこの娘じゃろ」 近づいてみると、きよでした。 「誰かと思ったら…

たんぽぽ

「花のほほえみ」より たんぽぽ

火とぼし山

火とぼし山48 第六章 湖を泳ぐ娘 月のきれいな夜でした。 手長と足長は、諏訪湖で魚をとっ ていました。 手長は、魚をとるのが上手でした。 今夜も、大きな鯉を三匹もつかま えました。 「ねえ、あなた。明日の朝、この 鯉を明神さまに届けましょう」 「そ…

乙女椿

「花のほほえみ」より 乙女椿

火とぼし山

火とぼし山47 きよがさみしそうだったわけが、 よくわかりました。 「次郎よ。わしが、きよとおまえの 姿をみたのは、諏訪湖に氷がはっ ている頃だった。 あれからまだ何ヶ月もたっていない。 それなのに、これは一体どういうこ となのじゃ。 次郎、おまえ…

鈴蘭水仙

「花のほほえみ」より 鈴蘭水仙

火とぼし山

火とぼし山46 すると、 「ねぇ、次郎さん。これからも私 と会ってくれる?」 「おらは、みよちゃんと会う気は ない」 次郎が、ぶっきらぼうにいいました。 「なぜ? 次郎さん」 「おらには、小さな時からつきあっ ている人がいる」 「誰なの?」 「そんな…

むすかり

「花のほほえみ」より むすかり

火とぼし山

火とぼし山45 「そうか。桑畑で、みよちゃんに 会えるとは思わなかったな」 次郎が、にこにこしながらいいま した。 「これは、一体どういうことなの じゃ。わしには、さっぱりわからん」 明神さまは、小声でつぶやきました。 そして、桑のかげから、二人…

ばいも

「花のほほえみ」より ばいも

火とぼし山

火とぼし山44 みると、桑畑の向こうから、娘が 走ってきました。 「きよが、次郎に会いにきたのだ ろうか」 明神さまは、そう思いました。 でも、きよではありません。 みたことのない娘でした。 明神さまは、あわてて桑のかげに かくれました。 「次郎さ…

芝桜

「花のほほえみ」より 芝桜

火とぼし山

火とぼし山43 次郎さんが、その人を好きになっ たらどうしよう。 私は、次郎さんに捨てられてしま うのだろうか。 きよは、不安な気持で、毎日をす ごしました 十日がすぎました。 明神さまは、いつものように、村 内のみまわりに行きました。 桑畑を通り…

鈴蘭水仙

「花のほほえみ」より 鈴蘭水仙

火とぼし山

火とぼし山42 きよは、「とてもおもしろい人」 「大きな農家の一人娘」「養子」 ということばが、気になりました。 貧乏なわが家と違い、その人の家 は裕福なんだろうなと、きよは思 いました。 「次郎さんは、これからもその人 とつきあうの」 「おらは、…

赤ぼけ

「花のほほえみ」より 赤ぼけ

火とぼし山

火とぼし山41 次郎の見合いの話など、きよは聞 きたくありません。 でも、気になってしかたがなかっ たのです。 「うん。した」 「次郎さんは、その人と会わない といったのに、どうして会ったの」 「きよちゃん、ごめん。 おれ、主人にことわりきれなかっ…

「花のほほえみ」より 桜

火とぼし山

火とぼし山40 次郎さんたら、一カ月ぶりに会った というのに、見合いの話などして、 どういうつもりなのかしら。 いやな次郎さん。 でも、次郎さんがこっそり見合いを したら、それもいやだろうなと思い ました。 私は、小さな時から、次郎さんが大 好きだ…

むすかり

「花のほほえみ」より むすかり

火とぼし山

火とぼし山39 次の朝。 「ねぇ、次郎さん。今度はいつ会 えるの」 きよが、いつものように聞きました。 「今、野良の仕事が忙しい。 だから、今度会うのは、一カ月後かな」 「一カ月後? そんなのいや。 私、毎日でも次郎さんに会いたい」 「きよちゃん。毎…

岩山つつじ

「花のほほえみ」より 岩山つつじ

火とぼし山

火とぼし山38 「実は、十日ほど前、主人から姪 と会ってほしいといわれた」 「見合いをするということ」 「そうらしい。でも、おらは、そ の場でことわった」 「次郎さん。ことわったなら、そ んな話しなくてもいいのに」 きよは、次郎の気持がわかりませ …

りゅうの俳句

りゅうの俳句1586 http://d.hatena.ne.jp/youko510/20091109#p4

「花のほほえみ」より 桜