2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 3 そして、右手に弓を持つと、弓を つきたて、足が埋まるほど大地を 強くふみならしました。 すると、あたり一面に、庭の土が 粉雪のように飛び散りました。 戦う準備ができた天照大御神は、 須佐之男命がやってくるのを待ち ました…

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 2 遠くから聞こえてくる須佐之男命 の足音を聞いた天照大御神は、び っくりしました。 「弟がここへ来るのは、なにかたく らみがあるにちがいない。 わが国 をうばおうと思ってやってきたので はないか」 天照大御神は、急いで髪を…

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 1 「じゃあ、姉の天照大御神に挨拶 してから、母がいる根之堅州国へ 行こう」 須佐之男命は、大空の上にある高 天原へ向かって、のぼって行きま した。 力の強い大男の須佐之男命が、ど すんどすんと歩くので、大地が地 震のように…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)25 伊耶那岐命は、須佐之男命をよび、 厳しくしかりました。 「おまえは、海原を治めずに、な ぜ泣きわめいているのだ」 「大好きな母がいる根之堅州国へ 行きたいと、毎日泣いていたので…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)24 「わぁーん、あーん」 須佐之男命が、赤ん坊のように大 声で泣きさけぶので、青々した山 の草や木が枯れてしまいました。 また、火がついたように突然大声 で泣くので、川や海の水もす…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)23 「須佐之男命よ。 おまえは、海原 を治めなさい」 伊耶那岐命は、三神に命じました。 天照大御神と月読神は、父・伊耶 那岐命の命令に従い、委任された 国をしっかり治めました。 しか…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)22 鼻を洗った時に生まれた神が、須 佐之男命でした。 「わしは、長い間たくさんの子を 生んできた。 最後に、わしは、 三柱の尊い子を生むことができた」 伊耶那岐命は、うれしそうにい…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)21 その時投げ捨てた杖・帯・袋・衣・ はかまなどが、すべて神になりま した。 「上の瀬は、流れがはげしい。 下の瀬は、流れが弱い」 伊耶那岐命は、中ほどの瀬に飛び こみ、体を清めま…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)20 その後。 伊耶那美命は、黄泉津大神(よも つおおかみ)、黄泉国の坂をふさ いだ巨岩は、黄泉戸大神とよばれ るようになりました。 また、黄泉比良坂は、現在の出雲 の国のいふや坂で…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)19 その岩をはさみ、伊耶那岐命と 伊耶那美命はいいあいをしました。 「夫よ。 あなたがこんなことをする ならば、あなたの国に住んでいる人 々を、一日に千人殺すわよ」 「妻よ。 おまえ…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)18 すると、軍勢たちは桃の実をおそれ 逃げていきました。 「桃よ、危ないところを助けてくれて ありがとう。 わしを助けてくれた うに、葦原中国に住むすべての人々 を助けてあげてほし…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)17 伊耶那岐命は、腰につけている十挙 の剣を抜き、剣を後手にふりはらい ながら逃げました。 雷神たちは、しつこく追いかけてき ます。 黄泉比良坂(黄泉国と葦原中国とを へだてる坂)…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)16 伊耶那岐命は、右のみずらにさして いた櫛の歯を折り、投げ捨てました。 すると、今度は竹の子が頭を出しま した。 醜女が竹の子を抜いて食べている間 に、伊耶那岐命はどんどん逃げま…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)15 「あの男を追いかけていき、つか まえてきなさい」 大声で、醜女(しこめ)に命じま した。 醜女が、すごい勢いで追いかけてき ます。 伊耶那岐命は、黒い髪飾りをとり、醜 女に向かっ…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)14 その上、頭・胸・腹・女隠・左手・ 右手・左足・右足には、おそろしい 顔をした八つの雷神が。 そんな妻の姿をみた伊耶那岐命は、 「あっ」と大きな声をあげ逃げ出し ました。 「みな…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)13 待ちくたびれた伊耶那岐命は、左 のみずらにさしていた櫛の歯を一 本折り、櫛の歯に火をともすと、 真っ暗な御殿の中へ入って行きま した。 すると・・・。 妻は、御殿の一番奥の部屋…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)12 でも、あなたが迎えにきてくれた ので帰ろうと思います。 これから 黄泉神と相談してきます。 その間、絶対に私の姿をみないで くださいね」 伊耶那美命は、真っ暗な御殿の中へ 戻って…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)11 「先日こちらの国へきた伊耶那美 命に会いたいのですが」 「お待ちください」 しばらくすると、伊耶那美命が御 殿の入口までやってきました。 「愛しい妻よ。 おまえとわしで作 ってい…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)10 伊耶那岐命は、もう一度愛する妻 に会いたいと思い、黄泉の国へ向 かって旅立ちました。 黄泉の国は、暗黒の夜の世界。 黄泉の国に近づくと、あたりがだん だんに薄暗くなってきました…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)9 その時に生まれた神が、泣沢女神 (なきさわめのかみ)でした。 伊耶那美命は、出雲国と伯耆国( ほうきのくに)との境にある比婆 之山に葬られました。 伊耶那岐命は、愛する妻がなくな…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)8 その後。 二神は、風の神・山の神・野の神・ 海の神・火の神など、数えきれない ほどのたくさんの神を生みました。 伊耶那美命は、火の神を生んだた めに、大やけどをしてなくなって し…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)7 そして、生まれたのが、淡路島。 次に、四国・隠岐島・九州・伊岐 島・対馬・佐渡島・本州を生みま した。 この八つの島を、大八島国といい ます。 おのごろ島から戻った後、吉備児 島・…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)6 天津神は、未熟な子が生まれたわけ を占いました。 「女が先にことばをかけたのが悪い。 おのごろ島へ戻り、もう一度ことば をいいなおしなさい。 そうすれば、 きっといい子が生まれる…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)5 しかし、生まれた子は、ぐにゃぐ にゃの「ひるこ」でした。 二神は、初めて生んだ子を、葦の 舟にのせて流しました。 次に生まれた子も、あわあわとして 頼りない淡島でした。 「残念な…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)4 「それなら、天の御柱のまわりを まわって出会い、結婚しよう。 おまえは、右からまわりなさい。 わしは、左からまわるから」 二神は、御柱のまわりをまわり ました。 「なんてすてきな…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)3 「おまえの体は、どのようにできて いるのじゃ」 「私の体には、完成していない所が、 一か所あります」 「そうか。 わしの体には、余分な所 が一か所ある。 わしの体の余分な 所で、お…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)2 そして、ぐるりぐるりとかきまわ しました。 沼矛を引き上げると、矛の先から ぽたっぽたっと潮水がたれ、小さ な島ができました。 その島を、おのごろ島といいます。 伊耶那岐命と伊耶…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と 伊耶那美命(いざなみのみこと)1 天津神たちは、伊耶那岐命と伊耶 那美命に命じました。 「あのくらげのようなふわふわし ている地をかためて、しっか…

古事記神話「古事記物語」

最初の神々 2 以上、五柱の神は、特別の天津神 で、別天津神(ことあまつかみ) とよばれています。 これらの神の次に生まれたのは、 国之常立神(くにのとこたちのかみ) と豊雲野神。 その後。 たくさんの神が生まれました。 国之常立神から伊耶那美神(…

古事記神話「古事記物語」

1 最初の神々 1 天と地が初めてできた時、高天原 (たかあまのはら)に最初に生まれ た神は、天之御中主神(あめのみな かぬしのかみ)。 次に生まれた神は、高御産巣日神 (たかみむすひのかみ)と神産巣日 神(かむむすひのかみ)。 その次に生まれた神…