2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

古事記神話「古事記物語」

木花之佐久夜比売 9 この子は天の御子さまのこどもで すので、あなたにだまって生むわ けにはいきせん」 木花之佐久夜比売は、邇邇芸命に そう伝えました。 すると・・・。 「木花之佐久夜比売よ。 私は、 あなたとは一晩しか一緒にすごし ていません。 だ…

古事記神話「古事記物語」

木花之佐久夜比売 8 その日。 邇邇芸命と木花之佐久夜比売は、 結婚しました。 二人は、楽しい時間をすごしま した。 次の朝。 邇邇芸命は、反乱をくりかえす国 を平定するため、遠くの国へ旅立 っていきました。 二人が一緒にすごしたのは、たっ た一晩だ…

古事記神話「古事記物語」

木花之佐久夜比売 7 「私が娘二人をさしあげたわけは、 石長比売を妻にすれば、邇邇芸命 さまの命は、岩のように永遠に長 く続くことでしょう。 木花之佐久夜 比売を妻にすれば、桜が美しい花 を咲かせるように、邇邇芸命さま は栄えることでしょう。 こん…

古事記神話「古事記物語」

木花之佐久夜比売 6 「妹は桜の花のように美しいのに、 なぜ姉は醜いのだろう。 あの二 人、本当に血のつながった姉妹な のだろうか。 私は、一時間でも、 いや五分でも、石長比売とは一緒 に暮らすことはできない」 邇邇芸命は、石長比売を大山津見 神の元…

古事記神話「古事記物語」

木花之佐久夜比売 5 使者は、邇邇芸命の気持を、大山 津見神に伝えました。 すると。 大山津見神はたいそう喜び、「姉 の石長比売も一緒にもらっていた だけないでしょうか」といいました。 そして、二人の娘とともに、たく さんの宝物を台車にのせ、邇邇芸…

古事記神話「古事記物語」

木花之佐久夜比売 4 邇邇芸命はやしきへ戻ると、早速 木花之佐久夜比売の父・大山津見 神に、使者をおくりました。 「私は、邇邇芸命のつかいのもの です」 「邇邇芸命さま?」 「邇邇芸命は、高天原の天照大御 神さまの孫でございます」 「どんな要件でし…

古事記神話「古事記物語」

木花之佐久夜比売 3 「突然ですが、私の妃になってい ただけませんか」 「えっ、妃に? たった今、お会 いしたばかりですよ。 それに、 あなたの名前も知りませんし」 「失礼しました。 私は、邇邇芸命。 高天原にいる天照大御神の孫 です」 「天照大御神さ…

古事記神話「古事記物語」

木花之佐久夜比売 2 「木花之佐久夜比売さまですか。 美しいかただ」 すると・・・。 木花之佐久夜比売は、はずかしそ うに下をむいてしまいました。 「兄弟は何人ですか」 「姉が一人います」 「名前は?」 「石長比売(いわながひめ)とい います」 「石…

古事記神話「古事記物語」

木花之佐久夜比売 1 ある日。 邇邇芸命が、笠沙の岬を歩いてい ると、向こうから娘がやってきました。 はっとするほど美しい娘でした。 邇邇芸命は、その娘に一目ぼれ。 「あなたの名前は?」 「私は、大山津見神の娘で、神阿 多都比売(かむあたつひめ)。…

古事記神話「古事記物語」

天孫降臨 6 天忍日命と天津久米命が、矢入れ を背負い、にぎりこぶしのような 剣の太刀を腰にさげ、天のはじの きで作った弓を持ち、天の真鹿児 矢を持って、瓊瓊芸命を先導しま した。 「ここは、朝鮮半島に向いていて、 笠沙の岬にも通じている。 その上…

古事記神話「古事記物語」

天孫降臨 5 「この鏡は、私だと思って、大切 にするのですよ」と。 そして、天照大御神は、思金神・ 手力男神・天石門別神にも、瓊瓊 芸命と一緒に降りていくように命 じました。 瓊瓊芸命たちは、高天原を後にし て、八重にたなびく雲を押し分け、 天の浮…

古事記神話「古事記物語」

天孫降臨 4 天宇受売神は、その旨を天照大御 神に伝えました。 瓊瓊芸命は、天児屋命(あめのこ やのみこと)・布刀玉命(ふとたま のみこと)・天宇受売神・伊斯許理 度売命(いしこりどめのみこと)・玉 祖命(たまのおやのみこと)、合わ せて五人の部族…

古事記神話「古事記物語」

天孫降臨 3 天照大御神は、天宇受売神(あ めのうずめのかみ)をよび命じ ました。 「おまえはか弱い女だが、どん な神と向かいあってもびくとも しない。 だから、おまえに命 じる。 一人で降りて行き、わ が国の御子が降りていこうとし ている道で何をし…

古事記神話「古事記物語」

天孫降臨 2 瓊瓊芸命は、天忍穂耳命と高御産 巣日神の娘・豊秋津師比売(とよ あきつしひめ)との間に生まれた こどもでした。 数年後。 「瓊瓊芸命よ。 葦原中国は、あ なたが治めるべき国ですよ。 天 降りして行き、葦原中国をおさめ なさい」 天照大御神…

古事記神話「古事記物語」

天孫降臨 1 「やっと葦原中国を平定すること ができました。 葦原中国へ天降 りし、あなたがあの国をおさめな さい」 天照大御神は、長男の天忍穂耳命 (あめのおしほみみのみこと)に 命じました。 すると、天忍穂耳命がいいました。 「葦原中国へ降りて行…

古事記神話「古事記物語」

大国主命 国譲り 17 後に、建御名方神は、諏訪大社の 祭神になりました。 狩猟の神・農耕の神・風の神など といわれ、今も諏訪の人々に慕わ れています。 国譲りの条件として、多芸志の小 浜に建てられた巨大な出雲大社。 その社にまつられている大国主命 …

古事記神話「古事記物語」

大国主命 国譲り 16 国譲りの後、大国主命がどうなっ たのか、誰も知りません。 国譲りの直後、潔く黄泉の国へ行 ったのではないか・・・といわれ ています。 柴垣の中へ隠れ、二度と姿をみせ ない事代主神がどうなったのか、 それもわかりません。 諏訪へ…

古事記神話「古事記物語」

大国主命 国譲り 15 「二人のこどもがいうように、わ しも背きません。 この国を、天 照大御神の御子に譲りましょう。 一つだけ条件がある。 わしが住 む宮殿は、天照大御神の御子が 住んでいるような立派なものを建 ててほしい。 そうすれば、わしは 出雲…

古事記神話「古事記物語」

大国主命 国譲り 14 建御名方神を殺そうとした時、 「どうか殺さないでください。 わしは、諏訪以外、どこへも行 きません。 父上にも、事代主 神にも背きません。 葦原中国 は、天照大御神の御子に譲りま す」といいました。 建御雷神は、再び大国主命の…

古事記神話「古事記物語」

大国主命 国譲り 13 建御雷神(たけみかずちのかみ)は、 建御名方神の手をとると、葦の若葉 をつまむようににぎりつぶし、ぽー んと遠くへ投げとばしました。 建御名方神は、ひっしで逃げました。 その後を、建御雷神が追ってきます。 とうとう信濃の国の…

古事記神話「古事記物語」

大国主命 国譲り 12 そこへやってきたのが、建御名方神。 千引きの岩を軽々と持ちあげながら 「だれだ。この国へやってきて、文 句をいっているやつは。 わしと力 くらべをしよう。 まずわしがそち の手をとるがどうだ」といいました。 建御雷神(たけみか…

古事記神話「古事記物語」

大国主命 国譲り 11 言代主神は、大国主命にむかって 頭をさげると、柴垣の中へかくれ てしまいました。 「今、おまえの子・事代主神は、 この国を天照大御神の御子に譲っ たらどうでしょうかといった。 他に、反対するものはいるのか」 「もう一人、建御…

古事記神話「古事記物語」

大国主命 国譲り 10 言代主神は、小声で大国主命にい いました。 「私は反対です。 でも、父上が この国を譲りたいと思うならば、 私は何もいいません。 父上にお 任せします」 そして、大声で返事をしました。 「父上。この国を、天照大御神の 御子に譲っ…

古事記神話「古事記物語」

大国主命 国譲り 9 天鳥舟神(あめのとりふねのかみ) は御大の岬へ行き、言代主神をつ れてきました。 そして、「天照大御神の御子に、こ の国を譲ることをそちはどう思うか」 と聞きました。 偉大な霊能力を持っている言代主 神は、高天原から何人もの使…

古事記神話「古事記物語」

大国主命 国譲り 8 「わしらは、天照大御神のおつか いでここへやってきた。 そちが 治めている葦原中国は、天照大御 神の御子が治めるべき国である。 この国を御子に譲ってほしい」 「わしからは返事ができない。 わが子の言代主神(ことしろぬし のかみ)…

古事記神話「古事記物語」

大国主命 国譲り 7 最後に下界へ降りていったのが、 建御雷神(たけみかずちのかみ) と天鳥舟神(あめのとりふねの かみ)。 二柱の神は、出雲のいざさの浜に おりました。 二神はとつかの剣(つるぎ)を抜 くと、波頭に剣をさかさまにつき たて、剣の先に…

古事記神話「古事記物語」

大国主命 国譲り 6 「天若日子は、八年たってももどっ てこない。 なぜもどってこないのか」 その理由を聞くためにおくられたの が、雉。 名は、鳴女(なきめ)。 鳴女は桂の木にとまり、天照大御神 のことばを伝えました。 しかし、その鳴女も、天若日子も…

古事記神話「古事記物語」

大国主命 国譲り 5 何度話し合いをしても、大国主命 の気持はかわりません。 三年たっても、天菩比神は高天原 へもどることができませんでした。 次につかわされたのは、天若日子 (あめわかひこ)。 天照大御神は、立派な弓と矢を持 たせ下界へ送りました…

古事記神話「古事記物語」

大国主命 国譲り 4 相談の結果、つかわされたのが、 天菩比神(あめのほひのかみ)。 「そちが治めている葦原中国は、 天照大御神の御子が治めるべき 国である。 この国を御子に譲っ ていただきたい」 「わしは、義父の須佐之男命が 治めていた国を引き継ぎ…

古事記神話「古事記物語」

大国主命 国譲り 3 天の浮橋の上から下界をみると、 力の強い神たちがあばれまわり、 大騒ぎをしています。 その様子をみた天忍穂耳命は、高 天原へもどり天照大御神に報告し ました。 「葦原中国は、荒ぶる神がおおぜ いいて、物騒な国。 私には、あ の神…