昭和60年代の歌11


ベランダに白く乾ける大根を

   もみつつ嫁ぎし娘を思ひをり



一枚となりしカレンダーの風に鳴る

   二階の部屋に硝子戸を磨く



久々に訪ね来し娘は編みかけの

   セーター持ち来て唯に編みをり



掃き寄するも松葉のみなる冬の庭

   藪柑子の朱実に朝光集まる