2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

昭和60年代の歌10

アメリカシロヒトリに食まれしくるみの二度萌えの 緑の中に花房ゆれり ガンセンターの見学終へしバスの中に 癌を克服せし君の体験談をきく 恵那山のトンネル越えしバスの窓 拭きて山並の紅葉に向かふ 時雨止みて日のさす塀にからまりて 葉の落ちし蔦に果実残…

胡蝶蘭

「花のほほえみ」より 胡蝶蘭

白駒の池物語

白駒の池物語109 「きよ。すべての使命を終え、あ なたがこちらの国へもどってくる 日を待っていますよ」 きよは、女神さまの声を聞きなが ら、家路につきました。 「きよちゃーん。 あの湖はね、白駒の池っていうん だよ。 きよちゃんが、こちらの国へも…

りゅうの俳句1235

・その女神 お礼したれば 女神なり ・あの花は 紅葉すなる つつじかも ・この池は 話されたる 姿かな ・この声を 返事するのは 物語 ・その使命 話したれば 物語

昭和60年代の歌9

友達の土産にせむと幼子が 持ち行く蝉籠に青草入れてやる 整然と列なす茶畑に並みたてる 霜除けの扇風機秋風に廻る 剪定も消毒も怠りし柿なれど たははになりて色付きてきぬ 心字の池に向ふきざはしに散りしける 落葉踏む音心に沁みぬ

岩山つつじの紅葉

「花のほほえみ」より 岩山つつじの紅葉

白駒の池物語

白駒の池物語108 「女神さま。清太さんの元気な姿 をみせていただきありがとうござ いました。 家にもどり、自分の使命をはたす ようにがんばります」 きよは、女神さまにお礼をいいま した。 「清太さーん。さようなら。 私のこと、忘れないでねー」 そ…

りゅうの俳句1234

・あのヒント 話したれば 女神なり ・この童話 お礼するのは 童話かな ・この花の お礼されたる 使命だね ・あのもみじ 話されたし 湖面だね ・あの家を 紅葉したる 自分なり

昭和60年代の歌8

阿智川のせせらぎ聴きつつ囲炉裏火に 釣り来しあまごを汗垂りて焼く 松のことは松に習へと教へしと言ふ 芭蕉を思ひ庭松を仰ぐ 三十分の歩みの前後に脈を計る ことにも馴れて一年過ぎぬ 東京歌会にて中山さんが録音せし 土屋先生のみ声尊びて聞く

岩山つつじ紅葉

「花のほほえみ」より 岩山つつじ紅葉

白駒の池物語

白駒の池物語107 「ぱか、ぱかっ、ぱか」 どこからか、ひずめの音が聞こえ てきました。 「ひひーん」 「ひひーん」 「おや? あの声は、白駒の声」 すると・・・。 湖面に、白駒の背にのった清太の 姿があらわれました。 はてしなく続く草原を、清太がさ…

りゅうの俳句1233

・その姿 あらわれました 女神かも ・この自分 はたすことができ さようなら ・あの歌を あらわれました 美しい ・岩山を 黄葉すると もみじだね ・このもみじ 話されたし 鎖かな

昭和60年代の歌7

老いし母が代はれるものなら代はりたいと 嘆きし兄の十三回忌迎へぬ 上達なき吾が歌なれど欠詠なきを せめてもの救ひとして励みて行かむ 人の命の儚さ思ひ定年を 来春に控へし君の訃を聞く 庭苔にも心配り汲み取りの ホース引く人穏やかなりき

からまつの黄葉

「花のほほえみ」より からまつの黄葉

白駒の池物語

白駒の池物語106 「きよさん。この湖は、今の季節 が一番美しいですよ」 「白駒。清太さんの姿がみえる場 所は、どこなの」 「ここですよ。ここにすわって、 心を静めてください。 じっと湖をながめていると、湖面 に清太さんの姿がみえますよ」 白駒が、…

りゅうの俳句1232

・その童話 あらわれました 物語 ・この姿 ながめていると 姿なり ・その湖面 黄葉すなる 姿かも ・あの人が はたすことができ 使命かな ・このまつは 紅葉すれば 物語

昭和60年代の歌6

芽吹きより若葉に移れる飯田市を 出て来て戸隠の残雪を見る 茶臼山の広き裾野は若葉の時 友と来りて山蕗をひく 温室に一冬超えしブライダルベール 枯葉を除き吊り鉢に移す アカシヤの垂花ゆるる藪陰に 坂登り来てしばし憩ひぬ

ひよどりじょうごの実

「花のほほえみ」より ひよどりじょうごの実

白駒の池物語

白駒の池物語105 「じゃあ、きよさん。行きましょ うか」 白駒は、野をこえ、里をこえ走っ ていきます。 やっと麦草峠につきました。 「きよさん。もうすぐですよ」 白駒がいいました。 しばらく走ると、こめつが・しら びその森がありました。 大きな木…

昭和60年代の歌5

心素直に帰り行く嫁に出かかりし 言葉おさへて笑顔で送りぬ 裏庭に深々立てる霜柱を 倒しつつ行けり鎖つけし犬は 怠け心励ましつつ歩くこの夕べ 生きてゐることの喜び湧きくる 根雪残る戸隠山を下り来て 聖高原のあたり新芽萌ゆるを見る

りゅうの俳句1231

・その童話 ながめていると 物語 ・根元に あらわれました 緑色 ・このまつが 黄葉したり 物語 ・あの願の はたすことができ 自分だね ・あの心を 黄葉すれば 童話かな

いちょう黄葉

「花のほほえみ」より いちょう黄葉

白駒の池物語

白駒の池物語104 あなたは、長者の娘として生まれ、 今まで何不自由ない生活をしてき ました。 しかし、世の中には、清太のよう に貧しい人たちがたくさんいます。 その人たちのために、力になって あげなさい」 「女神さま。どうか清太さんに会 わせてく…

りゅうの俳句1230

・あの俳句 落葉したれば 俳句なり ・あの使命 黄葉すると まわりだね ・この姿 食べてしまった 姿だね ・あの白は いないのですか 命かな ・この木の実 紅葉したる この世だね

昭和60年代の歌4

新年のヒムロの表紙目新しく なりて心もあらたまり来る 午近く樹氷のとけし庭松の 緑清々しく日に輝けり 計り知れぬ人の心に触れて来て 夜半の嵐に目覚め吾がをり 編機買ひ気負ひて編みし日も遠く 廊下の隅に置きしままなる

いちょう黄葉

「花のほほえみ」より いちょう黄葉

白駒の池物語

白駒の池物語103 「女神さま。どうか私を清太さん が住んでいる国へつれていってく ださい」 きよは、女神さまにお願いしました。 「きよ。あなたを、私たちの国へ つれて行くことはできません」 「なぜですか」 「あなたには、この世でしなくて はならな…

昭和60年代の歌3

此の年は牛に倣ひて生き行かむと 知至先生の言ふを聞きをり 年と共に精神年令を若くして 作歌に励まむと老先生の言ふ 日の入りて冷たき風の吹く庭に 鉢に移さむ寒木瓜を掘る 裸木となりしニシギギにみの虫幾つか 下がりて夕の風に揺れをり

りゅうの俳句1229

・神様を いないのですか 命なり ・この一つ いっていました 木の実かな ・その命 紅葉すなる 物語 ・あの童話 いないのですか 一つかな ・あの国を かわいがられた おとうさん

まさきの実

「花のほほえみ」より まさきの実