昭和60年代の歌5


心素直に帰り行く嫁に出かかりし

   言葉おさへて笑顔で送りぬ



裏庭に深々立てる霜柱を

   倒しつつ行けり鎖つけし犬は



怠け心励ましつつ歩くこの夕べ 

   生きてゐることの喜び湧きくる



根雪残る戸隠山を下り来て

   聖高原のあたり新芽萌ゆるを見る