ふしぎなリュック 13
「リーン・リーン・コロンころん」
「リーン・リーン・コロンころん」
美しい鈴の音が、あたりにひびき
わたりました。
「古杉先生はね・・・ずっと昔、小
桜姫の・・・だった人よ。二人がこ
の世で会えて、本当によかったね」
風が桃の花とおしゃべりしていました。
でも、二人の耳には、何も聞こえな
かったのです。
その時、さわやかな風が、びゅーと
二人の間をとおりすぎていきました。
「かなー、十年後を楽しみにねー」
どこからか小桜姫さまの声が聞こえ
てきました。
その声は、やさしい温かな声でした。
おわり
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
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