ふしぎなリュック 12
「十年後、この丘の桃の花が満開
になった日、かなさんが行きたい
と思う所へ、つれていってあげま
しょう」
そういうと、黄金色のリュックは、
またもとの灰色のリュックにもど
ってしまいました。
気がつくと、鈴ももとの鈴にもど
っていました。
「十年後、桃の花が満開になった日、
またこの丘であおう」
「先生、きっとよ。いつまでも私の
ことわすれないでね」
「わすれるものか、かな。十年後か
ならずこの丘であおう」
二人はそう約束しました。
つづく
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。