古事記神話「古事記物語」48
大国主命
いなばのしろうさぎ 5
わしは、十・五十・八十・百・二百・・三百と
数えながら、鰐の背中の上を、ぴょんぴょん渡
っていきました。
そして、もう一足で岸へあがろうとした時、ゆ
だんして大声でさけんでしまったのです。
「やーい、やい。まぬけな鰐め。うまくだまさ
れたな。わしは、ただ本土へ渡りたかっただけ
だ」と。
すると、最後に並んでいた鰐が怒って、いきな
りわしをつかまえました。
そして、毛をはいでしまったのです。
痛くて泣いていると、さっきここを通った八十
神たちが、毛が早くはえる方法を教えてくれま
した。
つづく