古事記神話「古事記物語」58
大国主命
大国主命の試練 2
「お父さま。玄関に、美しい青年が訪ね
てきています」
「何、美しい青年だと」
命は玄関へ行き、大国主命をじろりと観
察しました。
玄関に立っていたのは、清らかな瞳をし
た好青年でした。
「大国主命でございます」
「おまえが、大国主命か。母は元気かな」
「はい」
「おまえに会うのは、初めてじゃのう」
すると、須勢理比売が「お父さま。この
かたのこと、ずっと前から知っているよ
うな気がするの」といいました。
「娘は、この青年が気にいったのだな」
しかし、命は、大国主命をみているうち
に、だんだん腹がたってきました。
つづく