竹取物語 84
第六章 大伴御行大納言と龍の頸の玉 19
きれいな糸を使ってふかせた屋
根は、鳶や烏が巣を作るために、
全部くわえて持っていってしま
いました。
世間の人は、いいました。
「大伴の大納言さまは、龍の頸
の玉をとってきたのかい」
「いや、玉などとってこない。
それどころか、まなこに二つの
李のような玉をつけて帰ってき
たそうだよ」
「ああ、その李は、食べること
ができない」といったことから、
間の道理に合わない、常識はず
れのことを「あな、堪えがた」
というようになりました。
つづく