女神さまからのおくりもの14
きよは、清太の顔をみた時、いつ
かどこかで会ったことがあるよう
な、とてもなつかしい気がしました。
一方、清太は、「あっ、ふくちゃん」
とさけびそうになりました。
朝日長者の娘、ふくにそっくりだっ
たからです。
「ふくちゃん。やっぱり生きていた
んだね」
清太は、心の中でそっとつぶやきま
した。
ふくは、清太の母の乳で、大きくな
りました。
ところが、八才の時、一人で守屋山
へ福寿草の花をとりにいき、こごえ
しんでしてしまったのです。
兄弟のように育ったふくの死は、清
太にとって忘れることのできない悲
しい思い出でした。
「ふくちゃんにそっくりな少女が、
おらの目の前にいる」
清太は、夢をみているのではないか
と思いました。
つづく
前回の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101013#p1
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