女神さまからのおくりもの19
「庄屋さまは、いい息子さんが
いて、幸せじゃのぅ」
「いや、清太は、わしの息子で
はないのじゃ。
わが家で働いている少年じゃ。
こんなすてきな息子がいたら、
うれしいのだが」
清太と吉衛門は、なぜか親子に
まちがわれました。
忙しい生活を送っている清太にも、
たった一つ、楽しみがありました。
白駒の背にきよをのせ、八ヶ岳の
ふもとの高原を、二人で走りまわ
ることでした。
きよと高原を走っている時、清太
は幸せでした。
第三章 座禅草が咲く高原で
春の遅い佐久にも、ようやくあた
たかな春がやってきました。
庄屋の庭でも、福寿草の花が咲き
始めました。
「おじょうさま」
「なぁに、清太さん」
つづく
前回の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101018#p1
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