女神さまからのおくりもの


女神さまからのおくりもの30


「えっ、ほんとう? じゃあ、二
人は、兄と妹のように育ったのね」
「うん。でも、ふくちゃんは・・・
八才の時になくなってしまった」



「その話、とうちゃんから聞いた
ことがある。
ふくちゃんは、守屋山へ福寿草
花をとりに行って、なくなったん
でしょ」



「そうなんだ。みんなが留守の間
に、一人で守屋山へ福寿草の花を
とりに行ったんだ。
そして、道にまよってしまった。
運悪く、その夜、雪が降ってね。
ふくちゃんはこごえしんでしま
った」



「かわいそうなふくちゃん」
「一人娘をなくした長者と奥さま
は、気の毒なほどがっかりしていた。
かあちゃんも、しばらく元気がなか
った。おらもつらかった」
清太は、ふくのことを思い出し、涙
が出そうになりました。



「ふくちゃんは、なぜ一人で守屋山
へ行ったのだろう」
清太は、今でもふくの気持がわかり
ません。


              つづく



    前回の分はこちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101029#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101001#p2