女神さまからのおくりもの


  女神さまからのおくりもの24


「なにいっているの。清太さん」
「だって、庄屋のおじょうさまだ
もの」
「たしかに、私は庄屋の娘よ。
みんなから、庄屋のおじょうさま
って、よばれているわ。



でも、私は、おじょうさまという
ことばが大きらい。
清太さんには、きよってよんでほ
しいの」
「それはそうだけれど。おら、この
家に世話になった時から、おじょう
さまってよんでいるし。
急にそういわれても・・・ね」



「私、清太さんのことを、うちの使
用人だなんて思ったことは、一度も
ないわ。
清太さんのこと、ほんとうの兄ちゃ
んだと思っている」



「おじょうさまの気持はうれしいけ
れど、おらはこの家の使用人だから」
貧しい家に育った清太は、さみしそ
うにいいました。


            つづく



    前回の分はこちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101023#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101001#p2