ふしぎな鈴

[童話]ふしぎな鈴


   朝顔エスカレーター 5


よく見ると、黄金色の鳥が、柱時計の上にとまって
います。
見たことのない、美しい鳥でした。


「かなさん、私は遠い国から、あなたのおとうさんを
迎えにきました。これから、おとうさんは遠い国へ旅
立ちます。おとうさんは、あちらの国で、かなさんと
おかあさんのことを、ずっと見守っていますからね。
では、これから出発します。かなさん、おかあさんの
ことを、たのみますよ」


そういうと、黄金色の鳥は、おとうさんを背中にのせ
て、どこかへとんでいってしまいました。
それはあっという間の出来事でした。


         つづく





「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の童話
「ふしぎな鈴」に収録されています。


https://mihoyouko.web.fc2.com/douwasyuu3.html



「ふしぎな鈴」の価格は、現在 1540円です。

ふしぎな鈴

[童話]ふしぎな鈴


   朝顔エスカレーター 4


おとうさんと沼へおにやんまや銀やんまをとりに
いったこと、庭できあげはや黒あげはをとったこ
とが、まるで昨日のことのように、なつかしく思い
出されました。
「やさしいとうちゃんだった。私はとうちゃんが大
好き」
かなは、心の中で何度もそうつぶやきました。


おとうさんがなくなった夜のことです。
「リーン・リーン・コロンころん」
「リーン・リーン・コロンころん」
誰が鈴をふっているのでしょうか。
どこからか鈴の音が聞こえてきました。
まっくらな部屋の中で、柱時計の上だけが、明る
くきらきらと輝いています。


         つづく





「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の童話
「ふしぎな鈴」に収録されています。


https://mihoyouko.web.fc2.com/douwasyuu3.html



「ふしぎな鈴」の価格は、現在 1540円です。