ふしぎな鈴58
先生は、こげらのことをいろいろ
教えてくれました。
こげらはこつこつと木の枝をつつ
いています。
先生はかなの横に腰をおろし、い
っしょに空をみあげました。
空には白い雲がぽっかりうかんで
います。
かなは先生と話していると、心の
中がぽかぽかと温かくなってくる
ような気がしました。
「いつまでも先生といっしょにい
たい」
かなはそう思いました。
その時、かなのポケットの中に入
っていた鈴が、「リーン・リーン・
コロンころん」と鳴り出しました。
ポケットの中で、鈴がうれしそう
におどっているような感じでした。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100809#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。