竜神になった三郎


   竜神になった三郎 33


三郎は、兄たちの家へも行ってみ
ました。
しかし蛇の姿ではどうすることも
できません。



「兄たちがあんなひどいことをす
るなんて。おれは兄たちのことを、
一度も疑ったことはなかったのに・・・」
諏訪湖へつきおとされた時のこと
が、昨日のことのように思い出さ
れました。
「あれから何年だったのだろうか」
三郎はそっとつぶやきました。



「アッハハ、アハハ」
兄たちの家から、笑い声が聞こえて
きました。
「兄たちは幸せに暮らしているのだな」
三郎は、笑い声を聞いて、安心しました。


        つづく