井戸で鳴く黄金色のにわとり


井戸で鳴く黄金色のにわとり 10


「それはそうと、信忠はいつ伊那
谷にせめてくるのじゃ」
「さあ、わかりません。戦の準備
をしておくようにとの知らせでご
ざいます」
信廉が、知らせにきた人と、小声
で話しています。



いとこの松姫さまは、婚約が破棄
されてからも、ずっと信忠さまのこ
とを思っているらしい。
信忠さまが、信玄おじさまの城に
攻めてくると知ったら、松姫さまは
どんなに悲しむだろうと、るり姫は
思いました。


        つづく