2018-01-10 開善寺の早梅の精 童話 開善寺の早梅の精 22 梅の花匂ふ袂のいかなれば 夕暮れごとに春雨の降る 文次は、「あの人の香りが残る袖 は、毎夜私の涙でぬれている」 という意味の歌をよみました。 文次は、梅香のことがわすれら れなかったのでしょうね。 この歌をよんだ翌日、文次は戦 場でなくなりました。 「この世の最後に、梅香さんと 歌あわせができて、わしは幸せ だった。梅香さん、ありがとう」 そういって、文次はあちらの国 へ旅立っていきました。 おわり