夕暮れの散歩

夕方5時。
散歩に行く。
晦日の頃には、五時といえば真っ暗だったが、
だいぶ日が長くなった。




「さあ、散歩に行こう!!」
自分にそういいきかせる。
「こんな寒い日に、散歩に行かなくても良いの
に・・・」 心の中で、別の声がする。




「寒いから・・・」
「足が痛いから・・・」
「疲れているから・・・」
そんなことをいっていては、散歩などできない。
足のリハビリのためと割り切り、散歩に出発す
る。 今日は西風が強い。




東の空は、薄い桃色。
西の空には、黒に近い灰色の雲。
南の空は、薄い橙色に染まっている。
こんな冬の空を、何人の人がみているのだろ
うか? 




北北東にみえる八ヶ岳連峰も、雪で真っ白。
最初この山を見た時、北アルプスの山々かと
思った。 でも、わが町から、北アルプス
山々などみえるはずはない。
やはり、八ヶ岳連峰なのだろう。 頂だけし
かみえない。




5時15分。
西の空の濃い灰色の雲の上に、細い三日月が
でた。 月齢1.6の月。 
新月は十日だったというから、本当に細い三
日月だった。




5時30分。
北東の空に、金星がみえた。
あたりはまだ薄暗いので、薄ぼんやりとしか
みえない。




5時35分。
あたりは暗くなった。 三日月が美しい。 
そして、金星も光を増した。