尾掛松

[童話]諏訪の神話「尾掛松」


    尾掛松  2


ある年の十月。
「さて、遅くなってしまったが、出雲へ行ってくるか」
明神さまは、雲にのり出雲へ向かってとんでいきま
した。
出雲では、すでに各地から神様たちが集まってい
ました。


「会議を始めようと思うが、みなさまおそろいかな」
司会の神様が聞きました。
「諏訪の明神さまの姿がみえませんが」
そのうちくるだろうと、神様たちは雑談をしながら、
明神さまが来るのを待っていました。
ところが、いつまでたっても姿をみせません。


            つづく

尾掛松

[童話]諏訪の神話「尾掛松」


    尾掛松  1


昔、むかし、ずぅーと昔。
神様たちが、日本の国をおさめていた頃のお話です。


陰暦の十月になると、神様たちは出雲の国に集まり会
議をしました。
神様たちは、思い思いの姿で出雲に集まります。
諏訪の明神さまも、毎年出雲の国へ出かけます。
女神さまたちは、背が高くて美男子、そして力持ちの
明神さまにあこがれていました。


十月は、神様たちが国を離れ留守になるので、「神無
月」とよばれるようになりました。


            つづく