白駒の池物語


 白駒の池物語19


清太は、長者のお使いもします。
長者のおともで馬を走らせ、遠く
の村へ出かけることもありました。



「長者さまは、いい息子がいて、
幸せじゃのぅ」
「いや、清太は、わしの息子では
ないのじゃ。わが家で働いている
少年じゃ。



こんなすてきな息子がいたら、う
れしいのだが」
二人は、なぜか親子にまちがわれ
ました。



忙しい生活を送っている清太にも、
たった一つ、楽しみがありました。
白駒の背にきよをのせて、八ヶ岳
のふもとの高原を、二人で走りま
わることでした。
きよと高原を走っている時、清太
は幸せでした。


             つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。

りゅうの俳句1146

・この背で 座禅されたる 忙しい


・このそりで 座禅するのは つぼみかも


・このおじを 座禅されたる 一つだね


・高原を わることでした 物語


・あの体で 座禅されたる 物語