瑠璃寺の青獅子13
荒彫りを始める前に、男は滝へ行
き、不動明王にお参りしました。
「不動明王さま。これから、獅子
頭の荒彫りを始めます。
木の中から、元気な獅子がとびだ
しますように」
そういって、男は一心に祈りました。
身を清めた男は、木の前で何度も
深呼吸をしました。
「獅子よ。これから、荒彫りを始
めるぞ」
そう声をかけると、木を彫り始め
ました。
「こっ、こっ、こっ」
木を彫る音だけが、小屋にひびき
ます。
のみがきれなくなると、滝へ行き
滝に打たれます。
そして、滝にかかる虹をみながら、
一心にのみを研ぎました。
つづく
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童話「瑠璃寺の青獅子」は、
信州高森町にある瑠璃寺に伝わっ
ている「青獅子」の話をヒントに
して、みほようこが書いたもの。
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