「童話」うぐいすの橋

「童話」うぐいすの橋


私は、小学校二年から中学を卒業するまで
の八年間、父の赴任先である山深い村で過
ごしました。 (昭和26年春から)




その村は、信州の南端にある村でした。 
みわたすかぎり、山・やま・山。
目の前には、南アルプスの山々が、美しく
みえました。 そして、山と山との間には、
深い谷。 
そんな村でしたが、心の優しい人たちが住
むとても良い村でした。




私が住んでいた教員住宅から、学校までの
道は、くにゃくにゃした曲がった道でした。  
間に深い谷があったので、その谷をさけて、
道路が作られていたのでしょう。




通学道路は、自然がいっぱい。
春は、木の芽吹きが素敵でした。
谷間に咲く山吹や岩山つつじが綺麗でした。
うぐいすもよくないていました。




秋は、学校がえりに、どんぐりや栗・あけ
びなどをとるのが楽しみでした。 栗がた
くさん落ちていましたね。




深い谷に、長い橋がかかっていたら、学校
へ行くにも、十五分くらいでいけたのでは
ないかと思います。




しかし・・・橋がなかったので、私たちは
長い時間をかけて毎日通学していました。
大人の足でも、三十分以上。
こどもの足では、どれくらいかかったのか、
もう思い出せませんが・・・。





私は、くにゃくにゃした道を通るたびに、
「この深い谷に、長い橋がかかっていれば
良いのに・・・」と、いつも思いました。




それから、四十年近い月日が過ぎました。
ついに・・・というか、やっとというか、あ
の深い谷に、長い橋がかかったと、同級生か
ら聞きました。





私は母と妹と三人で、その橋をみにいきまし
た。 その橋から、こどもの頃通ったくにゃ
くにゃ道がみえます。 その道は、もう歩
く人もいないのか、ひっそりとしていました。





「うぐいすの橋」は、こどもの頃の思い出か
らうまれた童話です。 良かったら読んでく
ださい。




足がよくなったら、母と妹と三人で、こども
の頃住んでいた村へもう一度行ってみたい。
そして、深い谷にかかった橋をもう一度みた
い。



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