自分なりの黒

今朝の朝日新聞の「声」欄に、こんな文
がのっていたので、紹介します。


 青と茶色混ぜ、自分なりの黒


「緑と黄色は黄緑だよ」
五歳の娘とクレヨンで遊んでいて思い出し
た。




小学校時代、担任の先生に絵の具の白と黒
は使わないように言われた。
「真っ白や真っ黒という色は、自然の中に
はない。 よく見て、自分の色を作りなさ
い」




ある時、牧場へ行き、牛を描くことになった。
「先生、牛は白と黒よ。どうするん」
みんなでしばらく騒いだが、やがて
「赤に紫を混ぜたら黒になった」
「黄色を薄めたら白だ」などと、あちこちか
ら声が上がった。




私は青+茶色の黒をみつけた。  好きな
黒だった。 もちろん正確には黒ではないが、
一人ひとり違う自分だけの黒だった。 組み
合わせが同じでも、分量や水加減次第で友達
と違う色になる。
後日、教室に42通りの牛の絵が張り出された。




1+1=2 だけではない。
無ければ作れば良い。
なんて素敵な先生だったんだろう。
偶然と偶然から生まれる奇跡。
この先も固定観念を捨て、自分なりの色を
見つけ未来を描きたい。


  広島県 杉原千亜紀さん 34歳




この文章を読んだ時、私は涙がでました。
私は私の童話を、書いていけば良いのだ
な・・・と。